【秋古馬3冠達成トレーナーが振り返る】2000年テイエムオペラオー 岩元市三元調教師「調子が本当に良かった」
今年の有馬記念は、天皇賞・秋、ジャパンCを制したドウデュースの秋古馬3冠達成なるかに注目が集まる。2000年にテイエムオペラオーで初の快挙を達成した岩元市三・元調教師(77)が当時を回顧し、ドウデュースにエールを送った。 ◇ 当時は、今のように選択肢として頻繁に海外遠征する時代ではなく、古馬で秋の中・長距離路線といえば天皇賞・秋→ジャパンC→有馬記念を使うのが当然でした。まさか全部勝つなんて思わなかったですけどね。 ただ、オペラオーは4歳秋を迎え、調子が本当に良かった。オペラオーが調教に行くとき、他の馬に乗っていつも後ろから見ていましたが、動きや歩く姿からも充実ぶりが伝わってきました。それが大きかったです。 有馬記念は当日朝、馬房で暴れて頭を打つアクシデントがありながらの出走。レースも負けパターンで進むし、1番人気だったのでファンのために何とか馬券圏内に入ってほしいと…。ハナ差で勝ったときは秋の3冠を制覇した喜びより、ホッとした記憶があります。 この3戦を乗り切るには実力はもちろん、枠順や馬場状態など運も必要。あと、よく言われるタフさもオペラオーは備えていました。ドウデュースは有馬記念が秋3戦目で、デキは問題ないはず。ユタカ(武豊騎手)くんとも合っているし、心配ないと思っています。(談) ■岩元 市三(いわもと・いちぞう) 1947(昭和22)年10月30日生まれ、77歳。鹿児島県出身。社会人を経て74年に栗東・布施正厩舎から騎手デビュー。82年に日本ダービー(バンブーアトラス)を制覇。89年に調教師試験に合格し、引退。JRA通算4917戦578勝(重賞はGⅠ級2勝を含む29勝)。同年に栗東で開業。テイエムオペラオーや中山大障害を勝ったポレールなどを育てた。2018年に定年引退。JRA通算7093戦497勝(重賞はGⅠ7勝を含む31勝)。