ドラマ「高杉さん家のおべんとう」小山慶一郎インタビュー「家族の愛を伝えたい」
「母ちゃんありがとう」って思いました
――「おべんとう」の思い出を教えてください。 「母が44年間ラーメン店を営んでいるので、うちのお弁当は中華料理が多かったですね。ドラマできんぴらごぼうだけの一品弁当が出てくるのですが、うちも一品系が多かったです。例えば、白米とチンジャオロースとか、八宝菜、ギョーザとか。子どもの頃はチンジャオロースのお弁当が好きでしたが、今思えば当時はニンニク臭かったと思います(笑)。でも、母はそれをお昼まで保つように、なんかちょっとしたことをやってくれていたと思うんですよ。中華って、脂で料理が白くなっちゃうじゃないですか。でも、母の中華は全然白くならなかった。ドラマではマーボーナスを取り上げて、ちょっとしたテクニックを紹介していますが、母親にも当時そういう技を使っていたのか聞いてみたいですね。あとは、姉に聞けば何でも教えてくれるでしょう(笑)。割とうちの親族は料理が得意なのですが、僕はすごく苦手なので、ハルが料理上手な役だったらきっと困っていました(笑)。でも、彼も不器用ながらお弁当作りをしていくので、そこは助かっています」 ――第1話ではハンバーグを作るシーンが登場しますが、撮影前に何か準備はされましたか? 「ハンバーグは以前作ったことがあるので心配はしていませんが、このドラマが決まって、卵焼きなどの簡単なものですが、キッチンに立って作るようになりました。フライパンを持つのに慣れておこうと思って。役柄としては慣れていなくてもいいのですが、手元の撮影で必要かなと思い、少しずつ料理に触れています。ゴーヤチャンプルーとか、カレーとか。母と姉には、今回のドラマ出演の話はまだしていません。でも、姉の得意分野なので、姉に聞く機会も増えるんじゃないかと思います」 ――小山さんが今の技術でお弁当作るなら、何を入れますか? 「ゴーヤチャンプルーの一品でいきます! 後はご飯。他は…入れて卵焼きかな。卵がかぶるのですが、今はそれくらいしかできないです(笑)。今の技術だと、彩りも気にしてられない! あっ、ハンバーグも作れます。でも、大変ですよね。世の中のお母さんやお父さんは、毎日お弁当作りをしているわけで…。あと僕、ドラマの中に出てくる『お弁当って今食べるものじゃなくて、ほんの少し未来をしつらえる』っていうセリフが好きなんです。今食べるわけじゃない食事…お昼とかに食べることを考えて作るのって、愛がないとできないなと思って。この時間にこれだったら食べやすいかなとか、こうしたら卵がふわふわの状態でお弁当に入るよねとか、そういうのを考えて作るのって愛情しかないですよね。僕が食べてきたお弁当の中には愛が詰まっていたんだなと思うと、今、母が作ったお弁当を食べたら泣けるだろうなと。昔はお弁当を残したこともあったのですが、今なら『ふざけんな』と思います。年を取って分かることって多いですよね。お弁当から見える家族の愛みたいなものが台本から読めて、『母ちゃんありがとう』って思いました」