「差別的なジョークには笑わない」Z世代ViViモデルが“差別”に対面したらどうする?【プライド月間】
ーー自分の大切な人が差別やハラスメントを受けている場面に遭遇した時、あなたはどうする?
差別している側がジョークのつもりでも、“笑わない” サチ 差別的なジョークを言う人がいる場面って、今までに何度が経験したことがあって。そういう時、一切笑わないようにしています。私、場の空気を壊すのが苦手なんですが、「それ全然笑えなーい」みたいな感じで、強い言い方ではないけど本音を伝えるようにしています。そう言って本当に“笑わない”ことで、流れは変わるので、これってすごく効果的なんだと思いました。差別発言をした側も、この言葉って面白くないことなんだと受け止めてくれることが多い気がします。 “ハラスメントホットライン”に相談するのもあり! 愛花 私自身は、立場が上の人に対しても「それって考え方、古すぎません?」とかズバッと言っちゃうタイプです。でも、もし友達が上の立場の人から差別発言をされた場面だった時、その子はその場で私が相手に抗議して事を大きくすることを望んでいないかもしれないですよね。そういう時は、後からその子にフォローを入れたり、その子が望むなら他の人にも相談してみます。あと、最近いいなと思ったのが、“ハラスメントホットライン”という外部への相談窓口。私自身、こういう窓口があることを知っていつでも利用していいんだ!ってことを知れただけで、大分、気持ちが楽になりました。 ハラスメントホットラインのような相談窓口が増えていったり、差別発言やハラスメントに対しての周囲の目が厳しくなることで、より多くの人が過ごしやすい世の中になるのではないでしょうか。 「私はあなたの味方だよ」ということを言葉と態度で示す! アリアナさくら 以前、イタリアに行った時、私が一人で街を歩いていたら、道端で通りすがった人たちから指で目をつる仕草をされながら差別発言を吐かれたことがあったんです。あからさまな差別を受けたのが人生で初めてだったので、驚いて、その人たちのことを逆に笑ってしまったんです。私が一人なのにめっちゃ笑うもんだから、その人たちはそそくさといなくなりましたが、今でも覚えているくらい衝撃的で怖かった出来事。 その時、もし周りにいる人が「何やってんだ!」って注意してくれたり、「大丈夫だった?」って声を掛けてくれたら、大分心が救われただろうなと思います。だから、私がそういう場面に遭遇したら、言える時は直接注意するし、それが難しい場面では後からその人を全力でフォローする味方でありたいです。自分の大切な人が傷つけられるのって私も嫌! 寄り添いたいし、守りたい。 しっかり怒って、場を凍らせる(笑) せいら ある集まりで、「せいらは、なんでも自分でやるから結婚できなそうだよね」とか言われたことがあって。「考えが古すぎる!」って怒って、場を凍らせてから帰宅したことがありました。明らかにおかしいと思ったら、こうやって場を凍らせてもいいと私は思うけど、人によってはこれ以上話を広げて欲しくないっていうパターンもありますよね。 だから、自分以外の場合は、状況を見てどういう言動を取るのがいいかちゃんと考えます。何も言わない方がいい状況なのであれば、その時は差別発言をした人やハラスメントをした人のことをシャットダウンしてやり過ごします。でも、後からその差別発言をした人の元へ出向いて、「さっきの発言、ちょっとおかしくないですか?」って言うくらいの心意気は持っています(笑)。 差別やハラスメントって、される側には非が無いことが多いから、こういう時こそ潔く怒ってもいいとも思うんですが、実際、なかなか言えないことが多いことも分かっています。私も海外でアジア人差別を受けた時は、事態がすぐに把握できず何も言えなかったし、「我慢すればいいか……」と諦めちゃった経験があるので。だから、周りの人たちが助ける姿勢であることってすごく大事だと思います!! こんな風に、ViViモデルたちが自然とやっていた第三者としての言動。これって、実は、差別やハラスメントを減らしていくことに、非常に有効だとされています。 ----------- Interview & Text:Yumiko Ito
講談社 ViVi