虎のソナタ いつから憧れの担当に? 長い記者生活で初めて言われた「虎番楽しそう」
先日、12球団合同トライアウトを取材した際に、40年近い記者生活で初めて聞いた衝撃的なせりふがあった。それも複数の記者から。 【写真】タイガースのロゴ入りショベルカーに乗って新ファーム施設を視察する阪神・平田勝男2軍監督「さすが阪神園芸やね」 某スポーツ紙・日本ハム担当「今の阪神担当って、すごく楽しそうですね」 某全国紙・楽天担当「阪神担当がうらやましかったです。阪神って昔からあんなにいい雰囲気でしたっけ?」 耳を疑った。トラ番ほど過酷な仕事はないと思っている。原稿量が多いし、拘束時間も長い。注目度が高い分、上司の文句も多い。トラ番だけはやりたくないと願う記者なら、山ほど知っている。いったい、いつから〝憧れの担当〟になったんだ?! 聞けば、侍ジャパンの日本代表合宿や現在進行中のプレミア12で、阪神から選ばれた選手とトラ番記者が、いつも仲良く、楽しそうに会話する光景が強烈に印象に残っているのだとか。12球団から選ばれた代表選手と記者の関係性でも、〝阪神の輪〟は圧倒的にホンワカしているらしい。 これは、タテジマ戦士の才木と森下の醸し出す空気のおかげに他ならない。世界一を狙う戦いで「日本一を目指して…」と発言した森下の天然の面白さは、もはや全国区。そういうキャラだから、トラ番と話しているだけで、楽しそうに見えるんだろう。 と同時に、取材するトラ番・中屋友那の「野球ダイスキ!」という日ごろの取材姿勢が、選手にも受け入れられているんだろうなぁと感じたりもした。 ライバル他社からうらやましがられている(?)中屋は現在、侍ジャパンの密着取材のため、台湾に滞在中。 「学生時代に米アリゾナやカンボジアには行ったことがありますが、仕事での海外は初めて。緊張しますが、スマホで撮った写真を見返すと、プライベートの旅行に来ているみたいな写真ばかりで。すいません、楽しんでます。ホテルの部屋もすごく広くて快適です。なぜかテレビが映らないのが、唯一の不満ですが」 原稿さえしっかり書けば、空きの時間にどんな写真を撮ったって構わない。危険な場所にさえ近づかなければ。 「ホテルから台北ドームまでは地下鉄で5駅。天井が日本のドーム球場とは比べものにならないぐらいに高くて。だから、バックスクリーンも日本では考えられないぐらいに高いんです。日本のドームとは全く違います。でも、すごく新しくて、きれいです。ベンチの近くまで行って取材もできています」