XRP、ドージコインが12%急落──アルトコイン大暴落で約3年ぶりの規模のロング清算
主要暗号資産(仮想通貨)と時価総額が中規模の暗号資産は、10日のアジア時間序盤に急落し、ここ数カ月で最悪の日の一つとなった。一方、ビットコイン(BTC)はほとんど変動がなかった。 データによると、エックス・アール・ピー(XRP)、ドージコイン(DOGE)、カルダノ(ADA)が過去24時間で最大15%下落した。アメリカ時間終盤に売り圧力が高まり、アジア時間序盤にさらに増幅した。ビットコインは3%下落し、イーサリアム(ETH)とソラナ(SOL)は7%下落、トロン(TRX)は先週の上昇分をほぼ全て失い17%の下落となった。 市場全体の時価総額は6.5%下落し、10月以来最大の下落幅となった。一方、市場ベンチマークであるCoinDesk 20 Index(CD20)は7%下落した。 売り圧力を引き起こした直接の原因は不明だが、インターネット大手グーグル(Google)が新しい量子コンピューティングチップ「ウィロー(Willow)」のベンチマークテストを発表したタイミングで発生した。これが暗号資産(仮想通貨)のプライバシーとウォレットのセキュリティに与える影響に関する市場の懸念が高まった。 市場アナリストやトレーダーは、11月の上昇後の過熱した市場の中で短期的な売り圧力を警告している。CoinDeskが9日に報じていた。 この下落により、15億ドル(約2250億円、1ドル150円換算)以上のロングポジションが清算された。これは2021年以来で最も高い数字だ。データプロバイダーのコイングラス(CoinGlass)が「その他」として追跡しているアルトコイン先物が5億6000万ドル(約840億円)の損失を出し、異例の動きで市場の損失を主導した。ドージコインとXRPの先物はそれぞれ7000万ドル(約105億円)以上の損失を記録した。 一部の市場ウォッチャーは、アメリカ上場のコインベース(Coinbase)から最初に売り圧力が高まったと指摘。XRPに対する異常な市場影響と、トレーダーがレバレッジをかけすぎていたことを示す指標があったとしている。 広くフォローされているクオンツトレーダーの@ltrd_は、X(旧Twitter)で「全く奇妙なことが起きた」とし、「大規模で比較的成熟した市場で、大量の売り注文の連鎖が発生し、市場が5%以上下落した。何が起きたのか正確にはわからないが、確実に異常だ」と述べた。 @ltrd_は、「こうした売り注文が通常ではないことがわかる(中略)おそらく、大手プレイヤーが明日がないかのように売ることを余儀なくされたのだろう」と述べた。 You can see that those sell orders are not normal. Something happened in the market. It might be worth monitoring this situation over the next few days. Perhaps a major player was forced to sell as if there were no tomorrow. pic.twitter.com/aitfBiNaPq — ltrd (@ltrd_) December 10, 2024 清算とは、トレーダーが証拠金要件を満たせなくなった場合に、取引所が強制的にトレーダーのレバレッジをかけたポジションを閉じることだ。大規模な清算は、パニック売りや買いなどの市場の極端な状況を示す可能性がある。清算の連鎖は、市場の転換点を示すこともある。ここでは、市場センチメントの行き過ぎによる価格反転が差し迫っている可能性がある。 |翻訳・編集:林理南|画像:Shutterstock|原文:XRP, Dogecoin Dive 12% as Altcoin Carnage Leads to Highest Bullish Liquidation in Nearly 3 Years
CoinDesk Japan 編集部