本塁打ゼロの4番の嘆き。広島・新井が「大きいのが欲しい」。
展開次第では、4番のホームランは、相手にダメージを与えゲームの流れを大きく変えるし、球場の空気をも一変させる力がある。チーム得点「69」はリーグ最低。すでに「0-1」の完封負けの試合が4試合もあるが、その試合のどれかに新井のホームランが飛び出していれば、勝ち負けが、ひっくり返っていたのかもしれない。新井も「4番の一発」の重要さを十分に理解をしているが、そこに目を奪われると、肝心のバッティング、そのものの調子を崩してしまうリスクもあるので、どう対策を練ればいいのかにも困っている。 「とにかく今はボールに逆らわずに打ち返しています。大きいのを狙って崩すのが怖い。ここから体のキレを上げていくことだと思っています。体にキレが出てくれば、打球にも角度がついてきて、大きいのも出てくると思っているのですが……。とにかく今は、緊張感を持って野球をしていますよ」 試合前の打撃練習では、当然、オーバーフェンスはあるし、ここまで外野オーバーの二塁打も記録している。決して飛距離が足りていないわけではないが、ゲームになるとコンパクトを意識しているので、フォロースルーが小さく、どちらかと言えば、打球にラインドライブがかかってしまっているのだ。 黒田と“ライアン小川”の投げ合いとなった5月1日のヤクルト戦でも新井はタイムリーを放つなど援護したが、神宮の3連戦で、まだノーアーチ。4日からは本拠地で巨人を迎えうつが、カープの4番の本塁打無し記録は、どこでストップするのだろうか。 (文責・駒沢悟/スポーツライター)