認知バイアスとは? 他人からの意見を「否定」と捉えてしまう脳の特性
【お悩み3】物事にとりかかるのが、めんどくさい →プロセスよりゴールに注目しよう 物事を後回しにすると、「すぐやる」よりも大きなエネルギーを費やすというデータがあります。それは、物事を終えるまで、長期にわたって「やらなきゃ」という焦りや不安が生じているから。何もしていないのに疲れてグッタリしてしまうことがあるのは、そのせいです。 先送りにする人と、すぐ行動する人の違いは、「注目バイアス」の使い方にあります。たとえば「富士山頂で初日の出を見ること」をイメージしてみましょう。「めんどくさい」「疲れそう」と思う人は、準備物の多さや登るときのつらさなど、プロセスに注目しています。 逆に「行きたい」と思う人は、ゴールに注目しています。山頂に着いたときの素晴らしい眺望、ご来光の美しさを想像するのです。 つまり、先送りグセの処方箋は、「プロセスのしんどさ」から「ゴールの嬉しさ」へと、着目点を移すこと。「お風呂掃除、めんどくさい」と思ったら、ピカピカの浴室で温かいお湯につかる自分を想像してみましょう。
\周りの人の意見がヒントに/ 「仕事は順調なのに、恋愛は苦手」など、うまくいかない分野がある場合は、何らかの認知バイアスが働いているサイン。それがどんな認知バイアスかを知るには、親しい人に訊いてみるのが一番です。 「これが苦手なんだけど、どう思う?」と訊くと、「こういうクセがあるよね」といった指摘が得られて、考え方の偏りに気づきやすくなります。自分では思いつかないような意見がもらえるため、おすすめです。
うまくいっている人の認知バイアスの使い方
ここまで認知バイアスは「認知のズレ」だと説明してきましたが、良い方向にも利用できます。 たとえば、ビジネスで成功した人など、うまくいっている人に話を聞くと、「チャンスは目の前にたくさん流れている」という言葉がよく出てきます。 それは、その人たちがいつも「チャンスはないかな?」と思っているからです。注目バイアスが働いて、チャンスに目がいきやすくなっているのです。 「欲しいもの」を明確にすることは、とても重要です。「これが欲しい」と、頭にくっきりとイメージを描けば、目の前にある「これ」にハッと目が留まるもの。このように、認知バイアスは活かし方次第で、良い効果も発揮します。