宗山塁か、スラッガーか――。西武ドラフト1位の最適解はどっちだ? 【12球団ドラフト指名予想】
重要な2位指名も狙いは1位と同じ
1位と同等に重要視したいのが2位指名だ。今年の2位指名ウエーバーは西武からスタートする。この有利な点を西武が活かせるかどうか。 2位も1位に続き、野手の指名を狙いたい。宗山を指名できなかった場合の遊撃手、数年後に一軍で活躍できる大学生野手、社会人野手、独立リーグ野手が候補に挙がる。 遊撃手では浦田 俊輔内野手(海星-九州産業大)を推したい。昨年12月に行われた大学強化合宿のシートノックでは、宗山に見劣りする点はいっさいなかった。スピードは宗山よりも上に感じられたほどだった。打撃でもバットコントロールがよく、春のリーグ戦では打率.400、8盗塁、秋のリーグ戦では打率.500、6盗塁。大学選手権で6打数3安打だった。走れる遊撃手で、将来的には阪神の中野 拓夢内野手(日大山形-東北福祉大-三菱自動車岡崎)のような成績を残すことが期待される。中野は4年間で79盗塁を記録しており、浦田も走れるショートとしての活躍が求められる。 富士大の麦谷 祐介外野手(大崎中央)も挙げたい。走攻守三拍子揃った外野手で、この秋は42打数16安打、3本塁打、10打点、15盗塁を記録。抜群の脚力に強肩もある。今年8月3日に行われた西武との三軍戦では4打数2安打を記録している。西武側にも良いアピールをしている。
左腕王国へ!獲得したい3投手
現在西武の投手陣はかなり安定している。今井 達也投手(作新学院)が10勝8敗、防御率2.37、187奪三振で奪三振王。ルーキーの武内 夏暉投手(八幡南)は10勝6敗、防御率2.17と防御率はリーグ2位で、新人王はほぼ当確の成績だ。そして3年目左腕・隅田 知一郎投手(波佐見)は9勝10敗、防御率2.76と安定した投球成績を残した。 先発柱3人に加え、150キロ台連発の羽田 慎之介投手(八王子)、育成から這い上がった本格派左腕・菅井 信也投手投手(山本学園)、高卒1年目で一軍デビューもはたした杉山 遥希投手(横浜)と期待の若手が揃う。また、BCリーグとの交流戦では3回無失点の好投を見せた育成の川下 将勲投手(函館大有斗)は緩急をうまく使った大型左腕でブレイクが期待できる。左腕の目利きと育成が上手く、今年も左腕の指名がありそうだ。 左腕を上位指名する場合は佐藤 柳之介投手(富士大)がおすすめだ。出どころが見にくいフォームから繰り出す140キロ台中盤の速球は回転数が高く、空振りが奪える実戦派だ。秋のリーグ戦では34.1回を投げ、防御率1.83、39奪三振の快投。西武三軍との交流試合でも3回1失点の好投だった。地元・埼玉の高校生左腕では最速147キロの西川 歩投手(山村学園)、超変則派・冨士 大和投手(大宮東)も面白いだろう。 近年、西武は独立リーグ・徳島インディゴソックスの指名が増えており、今年は投手4人、野手4人と計8人が在籍していた。今年も徳島の有望株を指名する可能性は高いだろう。投手では、最速159キロ右腕の工藤 泰成投手(明桜-東京国際大)、リーグ二冠王の強肩強打のスラッガー・寺岡 丈翔外野手(東福岡-福岡大)など面白い選手が多い。 改めて整理すると、今年の西武は、1位も2位も「レギュラー候補のスラッガー、もしくは源田の後継者」、3位以降で高校生左腕、独立リーグ・社会人の投手、野手を獲得するだろう。育成では高校、大学、独立の素材型選手を指名するのではないかと考えられる。 繰り返すが西武の近年の問題は、狙い通りに野手の育成がうまくいかないことだ。編成と現場の育成が噛み合った、来シーズン以降の躍進を期待できるドラフトにしたい。 【西武の今季成績】 143試合 49勝91敗3分 6位 支配下人数 61人