お金のリテラシーが高い人ほど幸せ。2025年にやるべき「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の一歩
今となっては日常的にも耳にするようになったウェルビーイングという言葉。その定義は幅広く、人によって異なります。 お金のリテラシーが高い人ほど幸せ。2025年にやるべき「ファイナンシャル・ウェルビーイング」の一歩 先日、私のウィンドウズは起動画面で「今度の休みの時期はMicrosoft Searchでウェルビーイングを優先させましょう」とメッセージをポップアップしてきました。ここで使われる「ウェルビーイング」とは「幸せ」という意味を持っています。 「健康」に近いニュアンスでウェルビーイングを使うこともあります。WHOによれば健康とは肉体的、精神的、そして社会的にも「よい状態=ウェルビーイング」であること、と定義しています。 「福祉」に近い意味合いで使うこともあります。特に、政府関係者が用いる場合、政策のねらいをウェルビーイングに置くことが増えています。「箱(建物)」をつくることが国の目的ではなく、国民の「幸せ向上」を図ることに本来の目的がある、と。 禅(ZEN)や瞑想、マインドフルネスによる精神の安定をウェルビーイングと表現することもあります。 私はファイナンシャル・プランナーですから、「お金と幸せ」の関係を考えています。「幸せ」と聞くと、なんとなく宗教チックなイメージを持たれることもありますが、もっと合理的に「お金と幸せ」を考えてみたいのです。
幸せや安心のためのファイナンシャル・ウェルビーイング
ウェルビーイングをいくつかのカテゴリーに分けたとき「ファイナンシャル・ウェルビーイング」という分野があります。「お金の健康」あるいは「お金の幸せ」と解釈します。 例えば、国の金融経済教育に取り組む国の機関であるJ-FLEC(金融経済教育推進機構)は、そのミッションとして「一人ひとりが描くファイナンシャル・ウェルビーイングを実現し、自立的で持続可能な生活を送ることのできる社会づくりに貢献」することを掲げています。そこで、ファイナンシャル・ウェルビーイングについてこのように定義しています。 自らの経済状況を管理し、必要な選択をすることによって、現在及び将来にわたって、経済的な観点から一人ひとりが多様な幸せを実現し、安心感を得られている状態。 投資をすることがウェルビーイングではなく「幸せを実現し、安心感を得られる」ことがお金のウェルビーイングの本質なのです。 しばしば、国が投資教育の音頭を取ったり、学校教育で投資についても触れる理由について、我々に投資をさせて株を買わせたいからとの言説が見受けられます。しかし、それは間違い。 お金の教育、その本質は「幸せや安心のために、どうお金とつきあっていくかを知る」ことにあるのです。