「東洋一のつり橋」と呼ばれた橋は今・・・赤色がピンクに、重さ1キロの金属片が落下9年間大規模修繕なし「早期無料化の代償」か
北九州市道路維持課楠根経年長寿命化担当課長「予算的にはその当時に必要な予算は組ませていただいています」 ■「無料化はよかったが、そのツケがまわってきた」 行財政改革を掲げ一部の予算を削減したことで市議会からやり玉に挙げられてきた武内市長ですが、若戸大橋の維持管理費は大幅に増やしました。 北九州市武内和久市長(今年2月)「若戸大橋、非常に大事なものであり、また落下物とかいった危険もありますけれども、やはりそういう問題が起きないように、しっかりとテコ入れをしてやっていかなきゃいかんということで今回予算を積ませていただいております」 市の関係者は「ギリギリのタイミングだった。これより遅くなると利子がつき工費を余計に払わないといけなくなるところだった」と説明します。 橋の専門家も「こまめにメンテナンスをする方が補修費用が少なくて済む」と指摘します。 九州工業大学(橋梁工学)高井俊和准教授「劣化が進んでから補修する場合は一般的には費用がかかるというふうに考えられていますので、早期の補修の方が費用が少なくて、補修ができるということが言えると思います」 北九州市の武内市長は、「維持・補修に対してはしっかりと予算として手当てをする」との考えを示しています。 北九州市武内和久市長「無償化にお金を使ってしまうがために若戸大橋の大規模修繕の予算が9年間全くとれてない。これによって、今どんどんどんどん若戸大橋から何かボルトが落ちたりとか老朽化の弊害が出始めています。無償化自体は良かったことかもしれませんがその後の手当をせずに9年間やってきたために、そのツケが回ってくる。こういう問題が出てきているので、そこにもしっかりと取り組んでいかないといけないと考えています」 無料化により橋の通行量は1日あたり約6000台増加。橋周辺の人口は増加傾向にあり、進出する企業も増えています。ただ、その代償としてメンテナンスを怠ったとすれば本末転倒です。先駆けて工業化し大規模な構造物が作られてきた北九州市。公共施設を維持するため課題先進地としてどのように行政が責任を持って取り組んでいくのかが問われています。
RKB毎日放送