「東洋一のつり橋」と呼ばれた橋は今・・・赤色がピンクに、重さ1キロの金属片が落下9年間大規模修繕なし「早期無料化の代償」か
■2018年に通行料金を無料化 2018年に通行料金が無料化された若戸大橋。北橋前市長が就任前から公約に掲げ、市議会から強い要望も受けた政治的な決定でした。 北九州市北橋市長(2018年当時)「市民の長い間の強い念願を予定通り実現して、それを契機に人や企業投資の流れを呼び込んでいきます」 当時から課題として指摘されていたのが維持管理費の問題です。この時点で建設費の借金が54億円残っていました。年間13億円の通行料金は借金の返済と維持管理費に充てられていましたが、無料化でその収入が失われました。維持管理の予算確保が厳しい場合、借金返済後も料金を徴収できる「維持管理有料制度」があり、関門トンネルに活用されています。末吉市政時代に若戸大橋への導入も検討されていましたが、早期無料化でその制度の活用も不可能になりました。厳しい財政事情が続く北九州市で無料化の判断をした北橋前市長は・・・ 北九州市北橋市長(2018年6月当時)「ぜひ国のほうにもですね、この道路の果たしている役割に鑑みて、適切な支援を期待をするものであります。一時的にはですね、他の維持管理の道路の維持管理の予算というものが移動することになるかもしれません」 この会見の翌月、北九州市は早期無料化に向けて「無料化後は本市が責任を持って維持補修を担い予算確保に取り組むこととしています」とする要望書を国土交通省に提出しています。市の関係者は「自分のところでやりますと宣言したようなもので、国から補助金をもらえるはずもなかった」と話します。維持管理費として北橋前市長が必要だと説明していた額は5億円でしたが…若戸大橋の維持管理費無料化以降、最近の4年間は必要とされる5億円を大きく下回る状態が続きました。借金返済が優先されたことで、大規模な修繕工事がストップしていたとみられます。担当部署はあくまで「適切だった」と説明します。 北九州市道路維持課楠根経年長寿命化担当課長「2019年度以降、ちょっと時間をかけて検討させていただいたという期間になります」 記者「予算的に不足していたわけではないのですか?