レッドブル、F1オランダGP大敗に危機感。マクラーレン&ノリス相手に「心配になるほど負けた」マシン改良が急務に
F1オランダGP決勝では、マクラーレンのランド・ノリスがレッドブルのマックス・フェルスタッペンに約23秒差でをつけて圧勝。これを受けてレッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、コンストラクターズランキングだけでなく、ドライバーズタイトルさえも危うい状況だと語った。 【リザルト】F1オランダGP 決勝レース結果|角田は17位 ノリスはサマーブレイク明け初戦となるオランダGPで一貫した速さを見せ、予選でフェルスタッペンを0.356秒差で下しポールポジションを獲得。決勝ではスタートでのホイールスピンによってフェルスタッペンに一時先行を許したものの、首位を奪い返してからは独走状態に持ち込んだ。 ファイナルラップにノリスは、使い古したハードタイヤで1分13秒817のファステストラップをマークしてトップチェッカーを果たした。これでノリスは26点の最大ポイントを獲得した。 第15戦を終えて、残すは9戦。ドライバーズランキングでは首位フェルスタッペンに対して2番手ノリスが70ポイント差に詰め寄った。 またこのオランダGPではマクラーレンのオスカー・ピアストリが4位、レッドブルのセルジオ・ペレスが6位に終わったことから、コンストラクターズランキングでは首位レッドブルと2番手マクラーレンの差がわずか30ポイントにまで接近した。 マルコはレースを振り返り、フェルスタッペンがペレスに比べて“予選向き”のハイダウンフォース仕様のリヤウイングを装着していたことに触れつつも、ノリス&マクラーレンに対して成す術がなかったと説明した。 そしてドライバーズランキングでのリードでさえも、現状でレッドブル陣営は黄色信号が灯っているとマルコは語った。 「我々はどうやってもペースを上げることができなかったし、タイヤの消耗が激しかった」 マルコはServusTVに対してそう語った。 「今にして思えば、マックス向けに選んだ仕様は、予選においては良かったかもしれないが、レース向きでなかったのは確かだ。チェコ(ペレス)が第2スティントで非常に好調で、マックスよりも速かったことも分かるだろう」 「最終ラップのDRSなしのファステストラップが1分13秒8だったことからも分かるように、全体的にマクラーレンが優れていた。我々はあのようなタイムを夢見ることしかできない」 「我々には課題が沢山ある。残り9レースで、70ポイントというリードは十分ではない」 また今回の大敗がサーキット特有のモノか、それともアップデートの必要性を示しているのかと訊かれたマルコは、次のように答えた。 「サーキット特有のモノもあったと思う。(路面)温度が比較的低かったこともある」 「興味深かったのは、ピアストリがピットストップの後、ランドとほぼ同じようなペースで走っていたが、ルクレール(シャルル・ルクレール/フェラーリ)の後ろに引っかかった時は全く何も機能しなかった」 「残念ながら、マックスをオーバーテイクした時のランドはそうではなかった。いくつかの矛盾はあるが、今回は明らかに負けていた。それも心配になるほどにね」 そしてマルコはドライバーが自信を持ってマシンを走らせることができるよう、レッドブルは早期アップデートを予定していると明かした。 「問題がどこにあるのかは大体分かっている」とマルコは語った。 「マシンのバランスをより改善する必要がある。バランスとは、ドライバーが自信を持ち、スライドが少なくなることを意味している。そうすればタイヤの摩耗も改善される」 「開発のラインには、いくつか(のパーツが)準備されている。どれだけ早くに投入されるのか? この敗戦を考えれば、昨日にでも投入すべきだったと思うほどだ」
滑川 寛
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