最速ウイリアムズ・ホンダに待った! “後半戦男”ベルガーがフェラーリと終盤5戦で怒涛の2勝&3PP|シーズン中に“確変”したF1チーム/ドライバーたち
2023年シーズンのF1では、後半戦に大きくパフォーマンスを上げて表彰台の常連となったマクラーレンが大きな話題となった。こういったケースは過去にもいくつかあるが、1987年シーズンのフェラーリも終盤戦になって一躍主役となったチームだ。 【ギャラリー】角田裕毅の2023年シーズン全ヘルメット、紅葉柄コンセプトはキープもバリエーションに富んだデザインが登場! 1987年シーズンのF1は、ウイリアムズ・ホンダのネルソン・ピケとナイジェル・マンセルが速さを見せていた。前半戦はそこにロータスのアイルトン・セナやマクラーレンのアラン・プロストが割って入り、ランキング首位の座を争っていた。しかし、F1-87を駆るフェラーリのゲルハルト・ベルガーとミケーレ・アルボレートは表彰台に食い込むレースこそあれど、上記のライバルから一歩遅れている感は否めず、信頼性不足により完走もままならない状況であった。 しかし後半戦に入り、新型リヤウイングの投入やエンジン・ターボ周りの改良が進んだことも功を奏し、フェラーリ、なかでもベルガーは成績を向上させる。ベルガーは第9戦ハンガリーGPで同年初のフロントロウを獲得すると、以降はウイリアムズに次ぐ……場合によってはそれに匹敵する速さを見せるようになった。第12戦ポルトガルGPはポールポジションから2位。第15戦日本GP、最終戦オーストラリアGPでは共にポール・トゥ・ウィンを飾り、オーストラリアではセナの失格でアルボレートが繰り上がり2位となり、フェラーリのワンツーとなった。 ベルガーはシーズン後半の8レース全てで予選トップ3に入っており、平均予選順位は前半戦が7.6番手、後半戦が2.0番手と、その違いは歴然であった。この年はウイリアムズ・ホンダが16戦中12回のポールポジションを獲得したが、ベルガーは後半だけで3度もポールを獲得。最速ウイリアムズに風穴をあける活躍であった。 ちなみにベルガーは長きにわたるF1キャリアで通算10勝を挙げているが、そのほとんどを後半戦、終盤戦に記録している。翌1988年の第12戦イタリアGPでマクラーレン・ホンダのシーズン全勝をストップさせた有名な勝利もそのひとつ。一方で前半戦に優勝したのは、1992年カナダGPの1回のみだ。
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