男気を履き違えた中日・松坂大輔の退団理由への違和感
そして1日に森SD、デニー友利・国際渉外担当の退任が明らかになり、松坂の球団に対しての不信感は、さらに膨らみ、自らの再生の道を作ってくれた恩人2人がいなくなるなら、自分もいられないと男気を見せて退団を決意した模様だ。 松坂に誠意を持って契約をオファーしていた中日からすれば冒頭の加藤球団代表のコメント通りに「まさかの返答」だったのである。 今季は最終戦でチームの協力もあって最優秀防御率タイトルを獲得した大野雄大が完全復活、与田監督の積極起用で次々と若手投手が台頭し、来季は松坂に出番が求められるような状況ではなかった。 それでも松坂の功績をリスペクトし、そのカリスマ性、若手への影響力、先発の谷間でのスポット起用などに期待を込めて9月27日の話し合いでは契約継続をオファーしたのである。中日にしては最大限の配慮である。しかし、松坂は、昔の野球界にありがちな“恩義や仁義”を理由に、それを拒否した。 松坂は大きな勘違いをしている。 そもそも、この2年間は、森SDに雇われたわけではなく球団が松坂を雇用したのだ。その後ろにはファンがいる。21年間もプロの世界で生きてきた日米通算170勝投手は、「誰のために野球をしているのか」を理解していないのだろうか。プロ野球選手、球団を支えているのはファンなのだ。そのファンのために野球をするべきであって、森SDやデニー友利・国際渉外担当のために退団するという論理は通らない。男気の意味を履き違えている。 ネット上のファンの意見もシビアで“ヤフコメ”のコメント欄を見ても松坂の行動に賛同する声は少なく批判のオンパレードだった。 「自分を拾ってくれた人間に感謝をするというのは自分が球団を去ることではない。球団がいてもいいよ、と言ってくれているのだから、留まって精一杯野球を続ける事が恩返しになるのではないか?」、「変なこだわりは不要」、「松坂の談話は理解不能」、「拾ってくれた球団事態にも感謝してもいいと思う」、「森さんや友利さんのためなら球団に残って恩返しをするほうが筋道」などの意見が溢れた。 いずれにしろ、もう後戻りはできない。