ジョーンズHC「人生を掛けた大一番」、立川主将「毎回最後だという気持ち」
この23名で歴史的な初勝利を勝ち取る。10月24日『リポビタンDチャレンジカップ2024』オールブラックス戦に臨む試合登録メンバーが発表された。記者会見に登壇したエディー・ジョーンズHCと立川理道主将は次のように意気込みを語った。 【全ての画像】ラグビー日本代表試合の模様ほか ジョーンズHC「今シーズン一番大切な試合と位置付けている。チームが新たな歴史を作るチャンスだと思っている。インテシティを高く、集中力を高く保ったまま準備してきた。準備万端の状態。80分間ジャパンらしいラグビーをしたい。止めることができないプレー―をしたい。我々が選んだ23名のメンバーなら必ずできると信じている。今回新しいキャップを得る選手が2名いる。(オペティ・)ヘル、松永(拓朗)のふたりは合宿で素晴らしい動きを見せてくれた。今年に入って18・19人目のニューキャップホルダーとなった。我々はこのようにいいトランジションの時期を迎えているし、週末のパフォーマンスを期待している」 立川理道主将「自分たちが受け身にならないことがすごい大事。エディーさんが言うように最初から最後まで自分たちからプレッシャーを掛けていくという強い気持ちを持たなければいけない。隙を見せればニュージーランドが乗ってしまうので、キャプテンとして先頭に立ってリードしていきたい」 ジョーンズHCが送り出す23名のメンバーはこちら。 1岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス)4 2坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)46 3竹内柊平(浦安D-Rocks)10 4サナイラ・ワクァ(花園近鉄ライナーズ)7 5ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)18 6ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京)10 7姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)32 8ファウルア・マキシ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)12 9藤原忍(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)6 10立川理道(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)60 11マロ・ツイタマ (静岡ブルーレヴズ)4 12ニコラス・マクカラン(トヨタヴェルブリッツ)4 13ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)24 14ジョネ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)13 15矢崎由高(早稲田大学)4 16原田衛(東芝ブレイブルーパス東京)7 17茂原隆由(静岡ブルーレヴズ)5 18オペティ・ヘル(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)0 19エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ)2 20下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)10 21小山大輝(埼玉パナソニックワイルドナイツ)6 22長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)14 23松永拓朗(東芝ブレイブルーパス東京)0 ※所属チームの後の数字は日本代表キャップ数 今回メンバーを選出する際、重視した点を問われたジョーンズHCはこう返答した。 「相手を追い詰める準備をしてきた。NZには我々からプレッシャーを掛けないと勝機はない。集団的なスピードを持ってプレッシャーを掛けたい。ゲームは50%相手がボールを持つ時間があるので、ディフェンスでもプレッシャーを掛けないとけいない。(ダミアン・)マッケンジーは10番で起用されているが、彼はターンオーバーから大きなチャンスを作っていくタイプ。ディフェンスでコネクトし続けてプレッシャーを掛けたい。NZのFWは比較的若いメンバーがいるので、スクラム、ラインアウトでも我々はプレッシャーを掛けていきたい」 前半からスクラムでプレッシャーを掛けるためにPRはスタート・坂手、フィニッシャー・原田のチョイスをした。 「今回の試合ははじめから強いスクラムを組むことを考えて坂手を先発にした。坂手にはこの試合のスクラムの基盤を作ってほしいと思っている。原田は『PNC(アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2024)』でもいいパフォーマンスを見せていたので、フィニッシャーの役割を期待している」 1年ぶりのテストマッチとなる姫野は6番でも8番でもなく、7番に配置した。 「今回の試合では姫野にはボール周りの強みを生かすことを期待して7番にした。ラック周りで強いキャリーができるし、ディフェンスも期待している。この試合では姫野は7番がベストだと判断したが、今後6番ないし8番の出場機会がないわけではない」 ジョーンズHCはSH藤原の成長に目を見張り、立川主将は所属チームでのSH&CTBでの関係とは異なるが、ハーフ団形成に自信を覗かせた。 ジョーンズHC「テストラグビーを経て、とても上達している。ナチュラルにラグビーがうまいタイプ。天性なものを感じる。彼は自分で実際に動いて学ぶタイプ。机上でラグビーが上達するタイプではないが、とても才能に長けている。プレーするたびに上達し、その成長には目を見張っている。NZのディフェンスは彼を脅威だと認識すべきだろう。相手の9番もランニングゲームが得意なタイプだが、藤原は世界でも屈指のランニングナインになれる素材だと思う」 立川「自分たちのテンポでアタックするために9・10番が大事になってくる。そこは藤原とコミュニケーションを取ってボールを前進させていきたい。あとブレイクダウンも大事になるので、しっかりファイトしてボールを運んでいきたい」 HCと主将はハカ対策にも余念はない。 立川「エディーさんからキャンプの最初に話があって、リーダー陣で何がいいのか、アクションした方がいいのかを含めて話したが、まだ固まっていない。ハカに対して自分たちが観客になる、見入ってしまうのがダメだと思うので、自分たちの準備のために過ごすことが大事。自分たちの準備をするために何かするのか、何もしないのか、今日決めたい」 ジョーンズHC「ハカを見て、そのまま試合に入ってしまって一気に攻められることが多々あるが、はじめから自分たちから攻め続けることが大事になる。試合までの36時間、いろんな感情の起伏があると思うが、キックオフの際には準備万端だと感じて試合を臨めると思っている」 オールブラックス戦は人生を掛けた大一番だとジョーンズHCは力説した。 「我々は史上最高の試合をする準備をしてきたし、そのチャンスが目の前にあることを理解している。土曜日14時50分のゲームを世界中の人々が注目し、選手は人生を掛けて大一番に臨まなければいけないと自覚している。今回の試合は人生が変わる試合だと認識しないといけない。 先週日曜日の宮崎でのラグビークリニックでは小学生が200名、中学生が150名、高校生が70名も来てくれた。実は10年前、我々のメンバーの竹内が生徒としてラグビークリニックに参加した。その後『ラグビーワールドカップ』を見て、竹内は日本代表でプレーすることを夢に描いた。そして土曜日にその夢の大舞台に立つ。土曜日にパフォーマンスを残すのは自分たちの夢と自信だけではなく、未来の代表を担う子どもたちの自信となり、夢となることを自覚しなければならい。私自身今週のゲームを楽しみにしているし、期待している」 今年35歳を迎える立川主将は毎試合最後の試合だという覚悟を持っていた。 「毎テストマッチごと、『これが最後だ』という気持ちで臨んでいる。NZだからではなく、フィジーもサモアもカナダもアメリカの時も『次はない、最後だ』という気持ちで臨んできた。NZという大きな相手だが、変わらず自分にフォーカスして臨んでいる。前回の試合(2013年11月・6-54の敗戦)はまだ若かったので、NZというチームに対して何ができるかという受け身の状態で試合に臨んでしまい、ゲーム自体も良くなくて自分も前半にケガで交代していい思い出がないが、今回はいい準備ができて、心も体も自然な気持ちで試合に臨めると思う」 対するオールブラックスの試合登録メンバーは以下の通り。 1タマイティ・ウィリアムズ(クルセイダーズ)14 2アサフォ・アウムア(ハリケーンズ)15 3パシリオ・トシ(ハリケーンズ)3 4サム・ダリー(ブルーズ)5 5パトリック・トゥイプロトゥ(ブルーズ)46 6サミペニ・フィナウ(チーフ)4 7サム・ケイン(東京サントリーサンゴリアス)100 8ウォレス・シティティ(チーフス)5 9キャム・ロイガード(ハリケーンズ)5 10ダミアン・マッケンジー(チーフス)56 11マーク・テレア(ブルーズ)15 12アントン・レイナートブラウン(チーフス)79 13ビリー・プロクター(ハリケーンズ)1 14セヴ・リース(クルセイダーズ)30 15スティーヴン・ペロフェタ(ブルーズ)5 16ジョージ・ベル(クルセイダーズ)1 17オファ・トゥウンガファシ(ブルーズ)63 18フレッチャー・ニューウェル(クルセイダーズ)20 19ジョシュ・ロード(チーフス)6 20ピーター・ラカイ(ハリケーンズ)0 21TJ・ペレナラ(リコーブラックラムズ東京)87 22デービッド・ハヴィリ(クルセイダーズ)28 23ルーベン・ラヴ(ハリケーンズ)0 果たして、日本代表が新たな歴史の1ページを刻むのか、NZ代表が貫禄を見せ付けるのか。『リポビタンDチャレンジカップ2024』日本代表×オールブラックスは10月26日(土)・日産スタジアムにてキックオフ。試合前、東ゲート広場では大野均、伊藤鐘史、廣瀬俊朗、真壁伸弥、田中史朗、山田章仁、五郎丸歩、藤田慶和による「ラグビーワールドカップ2015日本代表レジェンドトークスクラム」、廣瀬、林家たま平、松尾諭、田沼広之、斉藤祐也、しんやによる「ドラマ『ノーサイド・ゲーム』スペシャルトークライブ」を展開。新横浜公園中央広場では全13チームがPRブースを出展する「リーグワンヴィレッジin 横浜」が繰り広げられる。チケット発売中。試合の模様は日本テレビ系にて全国生中継。