新NISAを始めるには「出口戦略」が大事と言われました。10年後の娘の大学入学費用を狙っても大丈夫でしょうか?
新NISAで10年後の大学入学費用を狙うのはあり?
新NISAを活用して資産形成を行うことは非常に重要です。教育費の準備においても、有効な手段の1つといえるでしょう。 ただし銀行預金などとは異なり、相場状況によっては元本を割り込む可能性がある点には注意しなければなりません。 特に、投資期間が短期であればあるほどリスクが高くなるので、「長期・積立・分散」を念頭におく必要があります。金融庁の資料を基に、長期投資の運用成果を見てみましょう。 1989年以降のデータで見ると、保有期間が20年間の場合の収益率は2~8%の間に収れんしていることがわかります。 一方で、保有期間が5年間の場合は大きな利益を得られる可能性があるものの、元本割れのリスクも高まっていることがわかります。 今回のケースでは、投資信託などを10年間積み立てることを想定していらっしゃると思いますが、20年間積み立てたケースに比べて元本割れのリスクが高いことを想定しておく必要があるでしょう。
新NISAで大学入学費用を貯める際の具体的なポイント2つ
元本を割れてしまうケースを想定し、以下のポイントを押さえておきましょう。 ●売却のタイミングを逃さない 10年後までに資金を準備する必要があるので、運用益を得られるタイミングで売却し、現金化する必要があります。しかし、10年後の相場環境によっては、元本を大きく割ってしまっている可能性も否定できません。 そのため、例えば7~8年積み立てた段階で運用益が乗り、目標金額に近いところまで到達していれば、10年を待たずに売却することも視野に入れておくことが大切です。 とはいえ、相場動向を正確に予測することは専門家でも不可能であり、完璧なタイミングで売却するのは簡単なことではありません。 保有商品の値動きや経済動向などをこまめにチェックし、いつでも売却できるように構えておくことが大切です。 ●新NISA以外の方法も検討する 元本を割ってしまったケースを想定し、新NISA以外でも入学費用を準備しておくことが大切です。例えば、預貯金や積立型の生命保険などが選択肢となります。 積立方法を分散しておくことでリスクヘッジにもつながるため、「投資」以外の方法を考えておきましょう。