いまや「明日のスター」登竜門との声も…「ネトフリ」にチャンスを求めるブレイク前の「芸人」「俳優」の本気度
ハマり役はなぜか……
動画配信サービス・Netflix(ネットフリックス。以下ネトフリ)のオリジナルシリーズとして、7月25日から配信された「地面師たち」、9月19日から配信された「極悪女王」がいずれもヒット作となった。「地面師たち」は、土地の所有者になりすまして売却をもちかけ、多額の代金をだまし取る不動産詐欺を行う「地面師」の犯罪を描く。「極悪女王」は、「全日本女子プロレス」に入門した女子プロレスラー・ダンプ松本がカリスマ的人気で1980年代に女子プロレス旋風を巻き起こし、“最恐レスラー”に成り上がっていくさまを描く――と、テーマは異なるが、両作品には業界関係者が注目する、ある共通点がある。 【写真を見る】「極悪女王」に登場した、全日本女子プロレスブームを支えたレスラーと、演じた女優たち
「『地面師たち』は豊川悦司さんと綾野剛さんのダブル主演と、小池栄子さん、ピエール瀧さん、北村一輝さんら豪華キャストでしたが、その中で、地面師グループの情報屋(北村)のパシリであるオロチを演じたのが、お笑いコンビ・マテンロウのアントニー。これが意外なハマりぶりで、高評価となっています」(映画業界関係者) 一方の「極悪女王は、ダンプ役を演じた主演のゆりやんレトリィバァら、レスラー役のキャスト陣は全てオーディションで選ばれた。その中で、ダンプと同期入門で彼女のタッグパートナーとなるクレーン・ユウ役を演じたのが、男女のお笑いコンビ・マリーマリーのえびちゃんだった。 「マテンロウとマリーマリーの所属は吉本興業ですが、アントニーもえびちゃんも、これまでと同じペースで活動をしていたら、なかなか飛躍のチャンスはめぐってこなかったはず。ところが、脇役出演がハマったのと、作品のヒットにより一躍、名前を売ることになりました」(映画業界関係者) 二人のハマり具合について、両作を熱心に視聴した40代会社員男性が語る。 「アントニーはパシリの半グレ。顔面にタトゥーを入れ、巨漢のコワモテですが、情報屋にコキ使われたうえに殴る蹴るの暴行を受け、綾野演じる情報屋に愚痴を漏らす。どう見てもなれるはずがないのに、地面師にあこがれていますが、小物感がハンパない。コワモテながら愛嬌のあるあのキャラは、なかなか他の役者にはマネできなかったでしょう。えびちゃんが演じたクレーン・ユウ本人は、性格が優し過ぎて悪役になりきれなかったんですが、その感じがよく表れていました。ラストシーンとなるダンプの引退試合では、実にいい役割をしていて、表情はバッチリ決まっていました。『とにかく、体重を増やせ』と言われ、食べ過ぎて50キロ増やしてしまい、そこから20キロ減量したとか。ほどよい肉体にデキ上がっているところも最高です」 アントニーは8月25日放送の読売テレビ「上沼・高田のクギズケ!」に出演。その際、MCの上沼恵美子(69)からの「ギャラええんやろ?」の直球質問に、金額こそ明かさなかったものの、「僕レベルで『あっ、こんなもらえるんだ』」と語り、9月21日にアップされた、自身のYouTubeチャンネルでは、出演への反響で、今ではどこへいっても「地面師!」「オロチ!」などと声をかけられるというが、「でも俺は道半ば。(地面師に)なれなかったんです」と苦笑した。 「えびちゃんもクランクアップまでの2年間、“プロレス特訓”を経て役作りを徹底しました。その間、ほかの仕事はできないので、その分も上乗せされ、1本の仕事としては、これまで彼女が見たことのないギャラをもらっているはずです。『極悪女王』のイベントでは、来場したダンプさんと飲み仲間になったことを明かしていました」(芸能記者) アントニーとえびちゃんは今後、俳優としてのさらなるブレイクが期待されるが、ネトフリのオリジナル作品は世界配信。2人の顔と名前が、様々な国の視聴者に知れ渡っていく可能性もある。