VTuberは「まだ世間に浸透しているとは感じない」 「ホロライブ」カバー社長・谷郷元昭氏が描く「2030年」
「二次元コンテンツが好きな人は、今まではアニメに登場する、声優さんが演じているキャラクターを応援していました。技術的な進歩によって、今はアニメキャラクターだけではなく、生きたキャラクターのタレントとして存在できるようになったんです」(谷郷さん) ■フィクションではない 三次元のアイドルグループが活躍する音楽市場に、“実在する二次元のアイドル”が登場した。それによって、二次元キャラクターが好きな人たちの選択肢が広がった。 だが、谷郷さんは、「VTuberはキャラクターを演じているわけではない」とも指摘する。 「アニメなどのキャラクターIPはフィクションですが、VTuberはノンフィクションです。一人一人に夢があって、それを達成するために活動しています」 注目を集めるVTuberだが、「まだ世間に浸透しているとは感じていません」と谷郷さんは言い切る。この先存在が認知されても、なじみのなかった人にとっては「サブカルの一つ」のままかもしれない。 だが、子どもたちにとっては、VTuberは生まれたときから当たり前にいる存在になりつつある。 「ボーカロイドが誕生したのは07年で、今は米津玄師さんやAdoさんといったボーカロイド発のメジャーな方が活躍しています。VTuberが誕生したのは17年頃なので、30年ごろにはVTuber発のタレントがメジャーシーンを席巻するような状況が日本はもちろん、世界中で起きる可能性があると思っています」 スキルややる気さえあれば、性別や年齢にとらわれず世界中の人気者になることだってできる。そんな未来が広がっている。(編集部・福井しほ) ※AERA 2024年12月16日号より抜粋
福井しほ