【紀州のドン・ファン】遺産13億円超を「市にキフする」遺言書めぐり対立 争点は『筆跡』...親族側「同一人物が書いたとは思えない」市側「全ての文字で特徴が一致」注目の判決へ
55歳年下だった須藤早貴被告と電撃結婚
そんな野崎さんと2018年に電撃結婚したのが55歳年下のモデル・須藤早貴被告でした。ところが、わずか3か月半後、野崎さんが自宅で死亡しているのが見つかりました。死因は急性覚醒剤中毒。そして3年後に事件は急展開を迎えます。殺人などの疑いで元妻の須藤早貴被告が逮捕・起訴されたのです。
いまだ殺人事件をめぐる刑事裁判は始まっていませんが、そんな中で『紀州のドン・ファン』をめぐるもう一つの注目の裁判が、今年6月21日に判決を迎えます。
遺産13億円超をめぐる裁判 親族と市が対立
『いごん 個人の全財産を田辺市にキフする 野崎幸助』 A4サイズほどの紙に赤い字で書かれた文字。野崎さんの遺言書とされるものが死後に見つかったのです。少なくとも13億円にのぼるとみられる巨額の遺産。和歌山・田辺市は「市民の利益のため」と遺産を受け取る手続きを始めていました。そこに『待った』をかけたのが野崎さんの親族です。
(親族側の弁護士 渥美陽子弁護士)「生前の野崎幸助さんの状況から考えて、田辺市に全ての財産を寄付するような動機が見当たらない」 2020年4月、野崎さんの親族らが遺言執行者の弁護士を相手取り、この遺言書は無効だとする裁判が始まりました。これに対して遺言執行者の弁護士、いわゆる田辺市側は裁判で全面的に争う姿勢を見せました。
争点の1つは『筆跡』主張は真っ向から対立
裁判で争点の1つになっているのが『筆跡』です。親族側は、野崎さんが書いたとされる手書きのメモや、公正証書へのサインなど、複数の筆跡と比較。その結果「遺言書は本人以外が作成した可能性が高い」と主張しています。 (親族側弁護士 渥美陽子弁護士)「書き順ですとかそういったところで、単に形が似ているとか似ていないというところを超えて、到底同一人物が書いたとは思えない」
一方で田辺市側も、生前に野崎さんが営んでいた貸金業で債務者に送った督促状と比較して「全ての文字で筆跡の特徴が一致している」と主張。両者の言い分は真っ向から対立しています。
和歌山地裁で6月21日に判決
遺言書をめぐるトラブルに詳しい弁護士は次のように話します。 (南和行弁護士)「筆跡鑑定が一番大きなポイントになると思います。科学的合理性が、どちらの説明にあると、裁判所が理解するか」 田辺市の年間予算の約2~3%にのぼる巨額な遺産。遺言書は有効か無効か。注目の判決は6月21日の午後に和歌山地裁で言い渡されます。