膣周りだって老化する。ずっと快適に生きるために、女性器のアンチエイジングケア方法を学ぼう。
女性器のエイジングで起きる様々な不具合とは。
女性器は使わないと萎縮して衰えて行くというのをご存知だろうか。膣周りが老化すると、生活にも不具合が色々と生じてくるから切実だ。女性なら知っておきたい、膣のアンチエイジングケア。アラサー世代からも取り入れるべきメンテナンス術とは? 【ニッポンの性】彼女が「女性用風俗」を利用した理由。 「ほかの臓器と同様に、女性器は使わないと萎縮して行く」と話すのは、婦人科医で白金高輪海老根ウィメンズクリニックの院長の海老根真由美先生。ドキッとする言葉だが、実際、お肌と同じように、年齢とともに女性器の機能は衰えて行く。日頃からのケアで、更年期以降に快適に過ごせるかどうかに差がつくという。 では萎縮するとどんな不具合が起こるのか。以前の【ニッポンの性 vol.5】でも触れた通り、外陰部は使っていないことで皮膚が薄くなる。お小水をするだけで外陰部が切れて痛いと嘆く70代から80代の患者さんは多いそう。比較的若い世代でも産後の尿もれに悩む女性が居るが、これは主に尿道や膀胱の周りにある、膣周りの「骨盤底筋群」の緩みが原因だ。 植物療法士でフェムケアアイテムをプロデュースする森田敦子さんも、著書『私のからだの物語』で膣周りのケアを推奨している。「加齢に伴い、肌の瑞々しさを保つためのエストロゲンが減少することで、膣周りの皮膚も乾燥します。それまでふっくらしていた大陰唇や小陰唇がシワシワに弛み、ショーツに触れただけで痒みや痛みを感じることも」(森田さん)。
また、エストロゲンの減少により皮膚のコラーゲンやヒアルロン酸が低下すると、膣内の粘膜液も減ってくる。膣内が乾燥することで、膣内を酸性化して守っていた常在菌も減少し、細菌が繁殖しやすい状態に。においがキツくなったり、細菌性膣内に感染しやすくなったりするという。 さらに「膣が乾燥して中にはカチカチになって指すら入らなくなってしまう人も」(森田さん)。いざ性交渉という場面になって、痛くて男性器が挿れられずに病院に駆け込む女性も居るのだそう。 こういった更年期以降の女性の膣周りの変化について、「日本の性教育が未熟なゆえに、多くの人が知らずにいる」と森田さんは警鐘を鳴らす。「ヨーロッパの女性たちは少女時代から母親に膣周りのケアの大切さを教わり、顔のスキンケアと同じように丁寧に扱う習慣が身に付いています。そのおかげなのか、ヨーロッパの介護施設の利用者は、日本に比べるとオムツを付けていない人が圧倒的に多い。それは、彼女たちの膣周りは老人になっても潤っていて尿道や肛門を引き締める力を保っているから」(森田さん)。膣ケアは老後の尊厳にまで関わってくるというのだ。