ソチ五輪なぜ厳戒? ロシア北カフカス周辺でテロが頻発する4つの理由
北カフカスでテロが拡散する背景には、主に四つの理由があげられます。 第一に、冷戦終結後、イスラムの「本場」中東諸国との人の行き来が増え、そのなかで過激なイスラム思想も流入したこと。 第二に、北カフカスがロシアでも貧しい地域であること。 第三に、モスクワから派遣される知事をはじめ、政府関係者の汚職が絶えないことへの不満。 第四に、ロシア政府は2009年4月にチェチェンでの対テロ作戦の完了を宣言しましたが、それまでの軍事作戦がかなり強硬だったため、殺害された独立派の遺族が反政府活動に加わるなど、かえってテロ活動を過激化させていることです。
プーチン大統領はテロ撲滅を宣言したが
ソチ五輪は、ソ連時代の1980年のモスクワ五輪以来、34年ぶりにロシアで行われる五輪大会で、プーチン大統領の主導で準備が進められた、国家の威信がかかったものです。それだけに、五輪を目前にして関心が集まる時期に、ソチから遠くないボルゴグラードで連続テロが発生したことは、「安全」を国際的に約束してきたロシア政府にとって大きな打撃になりました。 プーチン大統領は大みそかの演説で「テロの撲滅」を宣言しましたが、ソチ五輪がこれまでにない厳戒体制のもとで行われることは確かといえるでしょう。