福岡県

　27日投開票の衆院選で、福岡11区には計3人が立候補している。各候補の人柄や経歴を紹介する。（届け出順） 【写真】演説をする安倍昭恵さん

志岐玲子候補（71）社民・新

志岐玲子候補

　長年の高校教員生活で、奨学金返済など経済的な事情で夢を断念する多くの教え子を目の当たりにし、政治を志した。

　「あらゆる子どもたちが、進学などの夢に挑戦する機会を保障するのが政治の仕事だ」と力を込める。

　立候補は前回に続き2度目。昨夏以降、田川市郡や京築エリアをくまなく回った。「『今の政治はなっとらん』と怒りを訴える人もいる。雰囲気が違う」と前回選との違いを感じている。

　中学で出会ったサンテグジュペリの名著「星の王子さま」の大ファン。集めた各国の翻訳版や限定人形は「絶対に手放せない」と笑う。「大切なものは目に見えない」という一節に「物事の本質を見抜く心の目を持ち続けたい」と話す。

武田良太候補（56）自民・前

武田良太候補

　自民党派閥の政治資金規正法違反事件を巡り、有権者から厳しい目が向けられている。「政治不信を招いたことを反省し、おわびする。その上で、未来のビジョンをしっかり示すのが政治の役割だ」と強調する。

　総務相など要職を歴任し、言動が注目される政治家の一人で、帰郷もままならないが、最近は若い支持層が増えていると感じているという。「総裁選で自民党の多様性が伝わった。各政党の将来性を、若い人は見極めてくれている」とみる。

　歴史本が好きで、最も印象に残っているのは司馬遼太郎の「『明治』という国家」。多忙な日々を送るが、「3日間、休めたら何をしたいか」との問いに、「ゴルフをして寝る、を3日間、続けたいね」と笑う。

村上智信候補（55）維新・新

村上智信候補

　衆院選への挑戦は、今回で3回目。「日本を大きく変えたいという思いは、今も変わらない」と初心を胸に刻む。

　小学生時代からエネルギー問題などに関心を持ち、東大院を修了後、通商産業省（現・経済産業省）に入り、約20年間勤務した。2014年には経済政策の論文も発表。これを転機に、官庁の枠を超えて自らの分析に基づいた政策を実行したいと政治家を志した。「経済を活性化しないと、日本は前に進まない。必ずやり遂げる」と力を込める。

　今回は改革姿勢に共鳴する日本維新の会からの出馬を決断。ボランティア活動などで人脈も広げてきた。「あきらめなければ、夢は叶う」という座右の銘に、自分の生き方を重ねる。