11月本島北部に甚大な被害をもたらした記録的な大雨で、農林水産業の被害額が１６億円あまりに上ることが県のまとめで分かりました。 25日県庁を訪れたのはＪＡおきなわなど５つの農業団体です。 県農業協同組合中央会　嘉数康雄代表理事「（豪雨災害は）生産農家の営農活動に重大な支障が生じるなど地域農業に甚大な被害が発生しています。」 求めたのは今月９日から降り続いた本島北部の大雨による被害に対する緊急支援です。 県が22日までにまとめた記録的な大雨による農林水産業の被害総額はおよそ１６億２０００万円に上っています。 このうち農地への土砂の流れ込みや農道や沈砂池の法面の崩壊がやんばる３村と名護市であわせて３５カ所確認され、被害額はおよそ８億８０００万円と最も大きな被害が出ています。 また大宜味村の鶏舎が浸水しおよそ２万６０００羽の鶏が死ぬなど畜産関係の被害額もおよそ１７００万円に上っています。 また東村の特産品などであるパイナップルやカボチャ、花卉などの農作物では、作付け後の種や株が流されておよそ１億２０００万円の被害が生じています。 東村の農家、金城英明さんです。大雨で畑に植えていたかぼちゃの種がほとんど流されました。 金城英明さん「向こうから流れたやつが全部流してもうほぼ無いゼロですよ。翌日来たらもう川みたいに出来ているからびっくりしましたよ。」 種の損害だけでも十数万円に上っています。さらに大雨でフェンスを設置をしていた法面が崩落したため、イノシシが畑に侵入しパイナップルを食い荒らされ、被害に輪をかけています。 金城英明さん「（復旧の）気持でもあればいいんじゃないですか。もうあきらめが肝心ですよ。」 要請では河川の氾濫や浸水の影響で農作物の根腐れや圃場の崩壊が広範囲に渡り、また道路の陥没などで生産農家が活動できないなど地域農業に甚大な被害が起きていると訴えました。 嘉数康雄代表理事「このままでは生産基盤の喪失に拍車がかかる深刻な事態も想定されることから、緊急かつ効果的な生産回復に向けた支援対策を講じる必要があります。」 照屋副知事「想定していなかった規模での災害に大変その後の被害の広がりも心痛しているところです。」 照屋副知事は災害復旧事業や一括交付金を活用して復旧作業に充てていると説明し、市町村や関係機関とも連携を図りながら再生産に向けた支援に取り組んでいくと述べました。