〔東京外為〕ドル、157円台後半=円安けん制発言で水準切り下げ(27日正午)
27日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需の買いで1ドル=157円90銭台に上昇したが、加藤財務相による円安けん制発言を受けて売りが強まり、一時157円台半ばに水準を切り下げた。正午現在は、157円60~61銭と前日(午後5時、157円37~37銭)比23銭のドル高・円安。 前日の海外市場では、欧州時間は157円30~40銭台でもみ合った後、157円60銭台に小幅高となった。米国時間は、米長期金利の上昇などに支援され、中盤にかけて158円台に上昇し、7月中旬以来、約5カ月ぶりの高値水準を付けた。同水準では買いが一服し、終盤は157円80銭~158円00銭で方向感なく推移した。 東京早朝は、調整売りなどで157円60銭台に軟化。午前9時前後は157円70銭台を中心にもみ合った後、仲値公示にかけて国内輸入企業による実需の買いが入り、157円90銭台に水準を切り上げた。その後は戻り売りに加え、加藤財務相による円安けん制発言を受けて売りが強まり、157円50銭台に下落した。 ドル円は、米利下げペースの鈍化見通しや日銀による早期利上げ観測の後退を背景に「円が売られやすい地合いになっている」(銀行系証券)という。もっとも、午前には加藤財務相が「投機的な動向も含め為替市場の動向を憂慮している」「行き過ぎた動きに対しては適切な対応を取っていきたい」などと円安をけん制したことで、いったんドル売りが優勢になった。午後は、特段の材料がなく「157円半ばを中心に小動きになるのではないか」(国内銀行)との声が聞かれた。 ユーロは朝方に比べ対円、対ドルで下落。正午現在、1ユーロ=164円10~13銭(前日午後5時、163円61~62銭)、対ドルでは1.0409~0409ドル(同1.0397~0397ドル)。