「桐島聡」名乗る男が死亡…捜査に影響は？ 50年近く“逃亡生活”…どうやって？ 【#みんなのギモン】
■50年近く前の爆破事件…アパートの床下に“爆弾貯蔵庫”
そもそも桐島容疑者がどんな人物なのか、桐島容疑者が所属していた組織が関わった事件からみていきます。 1974年に東京・丸の内、三菱重工ビル前で爆破事件が起きました。8人が死亡、380人が重軽傷を負い、戦後最悪の爆弾テロ事件と呼ばれていました。この事件のほかにも、翌年にかけて大手企業を狙った爆破事件が相次ぎました。 この連続爆破事件に関与していたのが「東アジア反日武装戦線」という過激派組織で、桐島容疑者はメンバーの1人です。 当時の警察白書によると、この組織は「日雇い労働者の最大の敵は大手建設業者だ」という思想をもっていたということです。メンバーらはいずれも会社員や喫茶店の店員などで、近所付き合いも普通にしていて、表面上は平凡な市民を装っていましたが、実態は床下に押し入れから通じる秘密の地下室を作って爆弾を製造するなどしていました。周到に計画を遂行していたということです。 実際、メンバーの1人が暮らしていたアパートをみると畳の下に空間が作られていて、警察当局はこの空間が爆弾貯蔵庫とみていたということです。
事件後メンバーは一斉逮捕されましたが、桐島容疑者を含む3人がまだ逃亡中です。この3人は東京・銀座の韓国産業経済研究所に爆弾を仕掛けた共犯者とされていますが、桐島容疑者以外の2人は海外に逃亡しています。そして、共犯が海外に逃亡している場合は、国内にいる共犯の時効は停止します。桐島容疑者の時効も停止されているということです。
■家族構成など“本人しか知り得ない話”も
29日朝に死亡した男が本当に桐島容疑者かというのは確認中で、まだ時間がかかりそうです。 ここで2つめのポイント「今後の捜査はどうなる？」です。本人の確認含め、死亡したことが今後の捜査にどのように影響するのかみていきます。 本人と特定するためにどのように確認作業が進められているのか。 まずは「発言」です。男は桐島容疑者の家族構成など、本人しか知り得ない話をしていること。さらに、警視庁に対して事件当時の状況についても話していたということです。 そしてもう1つ、「DNAや指紋」についてです。男のものは採取できますが、桐島容疑者の指紋やDNAは残っていません。そのため、桐島容疑者の親族のDNA型と照合するなどして身元確認を進めているということです。では今後、桐島容疑者だと特定された場合、捜査はどうなるのか。一般的には、容疑者死亡で書類送検となります。 今回のことが、事件の解明にどうつながっていくのかが注目点だと思います。 (2024年1月29日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
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