中日・井上監督が自ら命名、秋季キャンプは『むき栗キャンプ』「競争して欲しい」指揮官がその名に込めた思いとは
中日・井上一樹監督(53)が1日にナゴヤ球場で始まった秋季キャンプを「むき栗キャンプ」と命名した。皮をめくった奥の実に触れるからこそ選手個々の技術レベルも置かれた立場も、目指すべき方向性もはっきりする。期間は20日間。固定観念を取っ払ったチャレンジの連続を求める新生井上竜のハードトレーニングが幕開けした。 ナインやスタッフの顔を見回した井上監督が、外野にできた輪の中央へ歩みを進める。4分間にわたって時に声を張り上げ、時に語りかけた。 「ベテランも若手も、選手もスタッフも関係ない。全てが同じ方向を向かない限りいいチームになれない」「ここからほんとに競争。これが俺の中での唯一の望み。競争してほしい」「自分がダメだなってへこたれたときに尻をたたくためのコーチ陣だから、どんどん利用してほしい」 勝利への欲求をさらけだした。そのために同じ方向を向きたい。試合に出られるかどうかは実力主義。若手積極起用は終わった。そしてコーチの立ち位置に言及した。サポート役だとはっきりさせたのだ。強制の時代は過去。首脳陣の自己実現のために選手があるのではない。寄り添い、話し合い、選手の数だけある答えを一緒に探しにいく存在だとした。 だからコーチ陣にはくぎを刺した。「技術もそう、自分たちがやってきた経験を押しつけるなよ、と。一番求めるのは選手の熱意や、練習したいという気持ちに、とことん付き合う忍耐、大きな心」と訴えた。 暗くなるまで行われた練習初日。指揮官は20日の日程をむき栗キャンプと命名した。 「堅い皮、扉を自分たちの力でこじ開けようぜ、と。その中には渋い皮もありますけど、そこをむかないと、味は出ないということでしょう」
中日スポーツ