夜間避難の課題確認 田辺市民団体が防災訓練、和歌山
和歌山県田辺市でNPOやボランティアなどの活動を総合的に支援する「市民活動センター」の運営委員会は11日夜、避難訓練をした。本部がある市民総合センター(高雄1丁目)から愛宕山(高雄2丁目)まで1キロほどの距離を約16分で避難し、経路や課題を確認した。参加者からは「真っ暗で見えないのでライトは必須」などの意見が出た。 【「災間」にできることを 防災意識高める、和歌山県田辺市高雄中学校の記事はこちら】 市民総合センターは標高約4メートルの低地にある。サークル活動などで多くの市民が集まる場所のため、役員が率先して万が一に避難できるようにと訓練をした。 避難先と位置付けている愛宕山は標高約33・5メートル、頂上の神社まで登ると約45メートル。近くでは高山寺(標高約33メートル)も避難先の候補になっていたが、川を渡ることになり津波の危険があるため、愛宕山を避難先に選んだという。 この日は運営委から8人が参加。市民総合センターでの会議中に地震が起こり、大津波警報が出たという想定で午後7時から訓練した。参加者は速足で、自転車やかばんに付けているライトで足元を照らし、車いすも押しながら愛宕山までの階段や坂道を上った。 帰りは別の避難ルートを確認しながらセンターに戻り、振り返りの会をした。参加者からは「明かりがないと真っ暗で見えない」「車いすはスロープがあっても、勾配が急な所では難しい」といった感想や「避難経路上に、道順を指示する標識やライトがあれば」「もっと避難ビルを増やす必要がある」などの意見があった。 運営委の鹿毛智子さんは「速足で向かって津波到達時間に間に合うくらいだったので、足の悪い人や年配の人には無理な部分もあると感じた。場所ごとでいろんな想定をして、常に避難方法を考えておく必要がある。皆さんには、日頃から常にライトと水、食料と携帯用トイレを持ち歩いてもらいたい」と話した。
紀伊民報