ペロトン急伸、フォード幹部を次期CEOに起用-利益改善の見通し
(ブルームバーグ): 31日の米株式市場で、フィットネス機器を手掛ける米ペロトン・インタラクティブが急伸。フォード・モーター幹部のピーター・スターン氏を次期最高経営責任者(CEO)に起用したことや、利益の改善が好感された。
ペロトンの31日発表によれば、スターン氏は来年1月1日付でペロトンのCEOに就任する。同氏は現在、フォード・インテグレーテッド・サービシズの社長。以前にはアップルでバイスプレジデントを務めた経験もある。ペロトンはまた、7-9月(第1四半期)決算および業績見通しも発表。売上高は減少が続いているものの、コスト削減への取り組みが利益を押し上げ始めていることが示された。
ペロトンの株価は一時34%高の8.92ドルを付けた。
新型コロナウイルス禍のロックダウン中に急成長したペロトンだが、ここ3年間は深刻な売り上げ低迷に苦しんでいる。事業好転を目指し2022年早期にはテクノロジー業界のベテラン、バリー・マッカーシー氏をCEOに起用したが、24年に入り同氏は退任。それ以降は取締役会長のカレン・ブーン氏と取締役のクリス・ブルッツォ氏が暫定共同CEOを務めてきた。
フォードは、ハンズフリー運転機能などの車載ソフトウエアサービスに焦点を合わせた新部門の運営のため昨年にスターン氏を採用。フォードは、スターン氏のリーダーシップの下で、自動車業界の好不況のサイクルを平準化するソフトウエアサービスから継続的な収入源を生み出したいと説明していた。
ペロトンはこの日、10-12月(第2四半期)の売上高について6億4000万-6億6000万ドル(約976億-1000億円)と予想。実際の売上高がこの予想レンジの中間値だった場合、前年同期比で13%減となり、アナリスト予想の6億6350万ドルを下回る。
また同社が示した10-12月の契約者数見通しもアナリスト予想を下回った。ただEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)の見通しは市場予想を上回り、コスト削減が実を結びつつあることが示唆された。ペロトンはまた、フリーキャッシュフローの改善も指摘した。