東京のウーバーイーツ自転車配達員が稼ぎの上乗せを期待できる「イベント特需」【チャリンコ爆走配達日誌】
続いて紹介する「イベント特需」は、夜8時30分以降に発生するもの。 冒頭で書いたように、私が配達するエリアではこの時間を過ぎると依頼がグッと落ち込み、3時間粘っても1000円ほどしか稼げないことが当たり前のようにあります。そこで狙うイベントが、東京ドームのK-POPのアーティストたちによるファンミーティングです。 東京ドームで行なわれるファンミーティングは、たくさんのグループが一堂に会するものが多く、日本全国からファンが集まってきます。公演は夜9時頃に終了するため、各地からやってきたファンは東京ドーム周辺のホテルに宿泊します。周囲の飲食店はすぐに満席となるので、ホテルに料理を運んでほしいという依頼が10時前後に殺到します。さらに、アーティストたちも海外からやってくるため、近隣のホテルに宿泊。10時から11時にかけてハイクラスのホテルへ運ぶ仕事が一気に増えます。 そこで、東京ドームでファンミーティングがある日は、夜8時30分を過ぎると神田や飯田橋など、東京ドーム近くでスタンバイ。稼げる時は、ファンミーティング特需だけで3000円から5000円を稼ぐことができます。 最後に紹介するのは引っ越し特需。大きな荷物は引っ越し業者に運んでもらえますが、棚に食器を入れたり、クローゼットに服を入れたりなどの細かい作業は引っ越す人が行なうもの。そんな作業の最中、引っ越し先の知らない街で飲食店を探すのは面倒。そんな理由からでしょうか、引っ越し作業中の現場に配達することは結構あります。 そんな引っ越し特需は3月に多いのですが、私が配達しているのは東京の湾岸エリア。ここでは現在もタワーマンションが次々と建設されています。マンションは季節に関係なく完成すると入居が始まるため、引っ越しが重なる土日に配達依頼がドカンと増えることがあります。 私は土日にライターの仕事をしているため、普段、マンション特需の恩恵はないのですが、夏休み、冬休み、春休みといった学生の長期休みの期間に引っ越しをされるご家族が多いので、普段から湾岸エリアの新築マンション情報をチェックして、この時期の引っ越し特需を狙っています。 ただ、マンション特需で注意しなければならないのは、新しい土地に建てられたものなので、配達員用アプリの地図ソフトに配達場所がちゃんと表示されない可能性が高いということ。また、注文者もマンションへの入り方がよくわかっていないケースが多く、マンションにたどり着いてから部屋に届けるまでに時間がかかってしまうこと。この点をしっかり把握して、注文者にあらかじめ伝えておかないとBAD評価を受けてしまうこともあるのでご注意を。 文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明