仏LVMHアルノー会長の次男がモエ・ヘネシー幹部に トランプ米次期大統領とも親交
仏高級ブランドグループ、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンの創業者ベルナール・アルノー会長(75)の息子アレクサンドル・アルノー(32)が、同社のワイン・蒸留酒部門であるモエ・ヘネシーの副責任者に任命された。アレクサンドル自らが写真共有アプリのインスタグラムで発表した。 米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、モエ・ヘネシーの幹部に就任するのは、アルノー会長の5人の子どもの中でもアレクサンドルが初めてだと伝えた。 アルノー会長の他の子どもたちと同様、アレクサンドルもLVMH傘下企業でさまざまな役職を歴任しており、独高級スーツケースメーカー「RIMOWA(リモワ)」の最高経営責任者(CEO)のほか、2021年からは米宝飾品大手Tiffany & Co.(ティファニー)の要職に就いていた。ティファニーはアレクサンドルの指揮下で収益を拡大し、米ニューヨーク5番街にある本店を改装するなど、LVMHの傘下企業の中でも特に業績が好調だと報じられた。 アレクサンドルはアルノー会長の3番目の子どもだ。同会長には最初の妻だったアンヌ・デワブランとの間に2人の子ども、長女でLVMH傘下の仏高級ブランド「DIOR(ディオール)」CEOのデルフィーヌ(49)と、同じく同社でCEO兼副会長を務める長男のアントワーヌ(47)がいる。アレクサンドルは同会長の2人目の妻エレーヌ・メルシエアルノーとの間に生まれた最初の子どもで、アルノー会長にとっては次男となる。その下には、LVMHの時計部門の責任者を務めるフレデリック(29)と、同社傘下の仏高級ブランド「ルイ・ヴィトン」の時計部門を率いるジャン(26)の2人の弟がいる。 LVMHの傘下企業には、ディオール、Sephora(セフォラ)、LOEWE(ロエベ)、Marc Jacobs(マーク・ジェイコブス)といったブランドが名を連ねている。アルノー会長と一族の資産は推定で約1587億ドル(約24兆5000億円)に上り、19日時点で同会長はフォーブスが発表する世界長者番付で5位に位置付けている。アルノー会長の純資産は過去に2億ドル(約309億円)を超え、昨年以降何度も世界長者番付で1位に躍り出たが、今年に入ってからは事業が減速したために目減りしている。 ■トランプ米次期大統領など著名人とも親交のあるアレクサンドル アレクサンドルはティファニーの幹部を務めていた頃に広告で起用した有名人とのつながりで知られる。2021年には米人気歌手のビヨンセやジェイ・Zと、ティファニーの広告キャンペーンを立ち上げた。この広告では、ビヨンセがティファニーを象徴する128カラットのイエローダイヤモンドを身につけた。同ダイヤモンドを着用したのは史上4人目、黒人女性としては初めてとなった。ビヨンセは昨年の自身の世界ツアーでもティファニーの衣装を着用し、2021年にはアレクサンドルの結婚式にも出席した。アレクサンドルがティファニーの広告のために起用した他の有名人には、2022年発表のアルバムのジャケットでダイヤモンドの冠を着用した米歌手のケンドリック・ラマーやファレル・ウィリアムス、米モデルのヘイリー・ビーバーなどがいる。