考察『光る君へ』11話 まひろ(吉高由里子)だって、本気で北の方になれるとは思っていない!倫子(黒木華)と同じ意中のその男性の
成長著しい伊周
安倍晴明(ユースケ・サンタマリア)と道隆(井浦新)家族の顔合わせ。 成長著しい伊周(これちか/三浦翔平)、第1話では貴子(板谷由夏)の隣にちんまり座っていた幼児だったのにねえ……あれから9年だから、現在12歳。じゅ、12歳!? 大丈夫だ。大河ドラマファンの心には、さざなみ一つ立たぬゆえ。こういうの慣れてます。 そして初対面の晴明に「父は笑裏蔵刀(しょうりぞうとう)」と不敵に言ってのける伊周……権力者の祖父、その嫡男の父の庇護の下、すくすく育ったのが見て取れる。 晴明の「お愉しみなことにございます」がちょっと怖い。 一の姫、定子(中村たんぽぽ)! なんとまあ、本役の高畑充希に似た子であろうか。大河ドラマに限らず、NHKドラマ制作は「育ったらこの本役になる」という子役をキャスティングするのが毎回うまい。特に時代モノに顕著である。 じーっと道隆の子ら、特に定子の顔を見つめる安倍晴明。人相を見ているのだろうか。 そこに踏み込んでくる道兼(玉置玲央)と、連れ出してなだめる兼家。今週も道兼がチョロいが、こうして言葉巧みに励ましている間は、兼家にとって道兼はまだまだ利用価値があるのだろうな……と考えるくらいには、父としての兼家を信用していない。
藤原道綱が癒しになるなんて
「どう!? しっかりやってる!?」 道長の様子をニコニコ顔で見に来る道綱(上地雄輔)に和む。一人っ子だから兄弟が、特に可愛がれそうな弟ができたのが嬉しくて仕方がないんだろうなあ。クーデター計画ではあんなに怯えていたのに、その後に普段通り兼家と接することができて、こうして道長とも親し気にする……肝が太いんだろうな。と思ったら、以前お菓子をあげた蔵人の顔と名前を憶えていない。レビュー第5回で『小右記』に記された彼について触れたが、単に残念な記憶力なのかもしれん。 しかし、殺伐としたこの物語の中で、彼の朗らかさが救いであるのは確か。物語が始まる前に、藤原道綱が癒しになるなんて、予想した人がいただろうか。