トヨタの勝田貴元へ、8度の王者オジエが助言「スピードはあるが、急ぎ過ぎないように」/WRC
WRC世界ラリー選手権にTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)から参戦している勝田貴元は、コースオフなどで思うように結果が残せていない今シーズンの難しさを受け、これまで8度の世界チャンピオンに輝いているチームメイトのセバスチャン・オジエからのアドバイスを頼りにしていることをWRC.comに明かした。 【写真】ラリー・フィンランドで劇的な逆転優勝を飾ったセバスチャン・オジエ 最高峰クラスに参戦して4年目のフルシーズンを迎えている勝田は、今季は第3戦サファリ・ラリー・ケニアでの2位表彰台や、第4戦クロアチア・ラリーと第9戦ラリー・フィンランドでスーパーサンデー首位となるなど、磨きのかかった速さを披露している。 その一方で、第2戦ラリー・スウェーデンや第5戦ラリー・ポルトガルでは上位につけながらもミスによってポジションを失ってしまうなど、結果を残すための戦い方は今季の重要な課題のひとつとなっている。 第9戦ラリー・フィンランドで金曜日にクラッシュしてしまった勝田は、同ラウンドで劇的な優勝を飾った僚友オジエのアドバイスを受けたことを明かす。 「僕は、セブ(セバスチャン・オジエの愛称)の立場から意見を聞きたかったのです。彼は8度の世界チャンピオンで、経験も豊富ですから」 「彼はこれまでにさまざまなドライバーを見てきており、多くのチームメイトと過ごしてきました。そんな彼の目から見て、自分に足りないものが何なのかを聞きたかったのです」 勝田は、現代のWRCにおいてもっとも経験のあるオジエから受けたアドバイスの一部を次のように語る。 「彼は、僕には基本的なスピードがあり、それがないとさらに大きな問題になると言っていました」 「僕にはスピードがあるし、続けるためにはこのスピードをうまく管理すればいい。ただ、急ぎすぎないようにとか、そういったことをヒントとして言ってくれました」 「『たとえば、なぜこんなミスをするのか』という課題について、かなりいいアドバイスをもらいましたが、これ以上は明かせません」 さらに磨きがかかってきたスピードについて、その管理方法のアドバイスがあったと思われるが、今季の勝田は第5戦ポルトガル後にも、優勝を飾ったオジエから攻めと守りのバランスについての金言を受けている。 「これまでもセブは僕にたくさんのヒントやアドバイスをくれていますし、また彼と話をするつもりです。自分を磨くために、より一層努力する必要があります」 そう語る勝田は、9月5日から8日にかけて開催される次戦『アクロポリス・ラリー・ギリシャ』でのアプローチを変える必要があると認める。アクロポリス・ラリーは、山間部のグラベル(未舗装路)がメインとなる、カレンダー上でもっとも過酷なイベントのひとつだ。 「非常に難しく、フィンランドとはまったく異なるラリーになるでしょう。どちらかと言うとアクロポリス・ラリーは、“マネジメント”ラリーになると思います。8月中旬にテストを行い、良いペースノートを準備して、最初から全開で走ろうと思います」 [オートスポーツweb 2024年08月15日]