陸の孤島救ったドローン、断水予測するAI…能登地震機に注目される防災テクノロジー
同町の担当者は「スターリンクと防災無線のどちらかではなく、新旧あわせて複数の手段を用意することが重要だ」と強調している。
新技術の使用ためらうな 室崎益輝・神戸大名誉教授
地球温暖化などの環境や社会の変化の影響を受けて、災害は進化し、激甚化している。防災も進化する必要があり、最先端の科学技術を積極的に取り入れなければならない。
日本でも防災に活用できる優れた技術が多く生み出されているが、最大限活用できていない。既存の法やシステムに従うことを優先して、いざというときに新技術が使えない場面もある。
一方で、2024年の台湾東部沖地震では、発生直後にトルコの捜索隊が台湾に入り、ドローンを使った行方不明者の捜索や被災地の地形把握で活躍した。防災技術は、使うことで、その能力をさらに高めることができる。日本でも、有事の際に新技術を使うことをためらう考えを取り除かなければならない。
国内では防災科学技術研究所で、災害発生時に被害状況やライフライン、被災者の情報を集約して可視化する先進的システムの開発などが進んでいる。こういった技術を活用するための制度づくりが急務で、省庁間の横断的な協力も必要だ。