引き締まった表情でバットを振り込む掛川西・落合

　来春のセンバツにつながる秋季高校野球東海大会が、19日に県内（草薙球場ほか）で開幕する。日刊スポーツ静岡版では、出場する県勢3チームを今日17日から全3回で紹介。第1回は9年ぶり12度目の出場で、2季連続の甲子園を目指す掛川西（静岡2位）。この秋から主軸を担う落合奏吉外野手（2年）が、さらなる飛躍を誓って東海の舞台に挑む。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　落合が、掛川西の勢いを加速させる。目前に迫った東海大会に向けて気持ちも高ぶる。「良い準備ができていると思う。自分にとって、初めての公式戦で東海大会という大きな舞台まで来た。緊張よりも、今はワクワクしている」と開幕を心待ちにした。 　186センチ、74キロの体格を生かしたスケールの大きい打撃と強肩を武器に、今秋から定位置をつかんだ。県大会では主に「5番左翼」で全試合にスタメン出場。打率2割5分の成績を残した。大石卓哉監督（44）も「経験が浅く最初は手探りな部分もあったけど、試合を重ねるごとに良くなっている」と評するなど、信頼も積み重ねている。 　ただ、満足感はない。打順1番から4番に入る「甲子園組」は、県大会の打率が3割5分を超える。自身も中軸を担う一人だからこそ「自分がもっと打てれば、得点力も上がる。（4人は）経験もあって『さすがだな』と思うけど、負けないように頑張りたい」と仲間の活躍も刺激に、さらなる奮起を誓う。 　苦難を乗り越えた分、懸ける思いも強い。入学当初から腰痛を抱え、1年秋に椎間板ヘルニアが発覚。昨年の10月下旬に手術を受けた。歩行訓練から始まった厳しいリハビリを乗り越え、今春にようやく復帰までたどりついた。初めての長期離脱を経験し「ケガがなければ…と最初は引きずった部分もあったけど、甲子園でプレーしたいという気持ちが強まった。今は野球が楽しい」と目を輝かせる。 　今大会の目標は優勝。「まずは1つ。目の前の試合に集中して勝って、波に乗りたい。そのために、自分のやるべきことをやる。攻守で勝利に貢献していきたい」。2季連続の聖地へとつながる戦い。岐阜第一（岐阜3位）と相まみえる1回戦から、チームを盛り上げる。【前田和哉】 　◆落合奏吉（おちあい・そうきち）2007年（平19）4月4日生まれ、菊川市出身。小5から六郷野球スポーツ少年団で競技を始め、菊川東中では軟式野球部に所属。右投げ左打ち。家族は両親と姉。186センチ、74キロ。血液型AB。