高須幹弥氏「悪徳クリニックが増えた」と警鐘 美容外科に即デビューする“直美”急増「埋没、糸リフトだけするマシーン軍団」
先日、美容外科の女性医師が、モザイク処理こそされているものの多数の献体、つまり人間の遺体が並んだ画像をSNSに投稿したとして、大炎上した。倫理観が疑われる内容だとして、当人からはブログで謝罪が行われたものの、同業者からも批判が相次ぐ事態にもなった。 【映像】近年急増!美容医療に関するトラブル(グラフ) 美容外科に関しては、この「献体騒動」に限らず、最近では形成外科など他の専門医を経ず、研修医から直接、美容外科医になる「直美(ちょくび)」と呼ばれるケースが大量に増えているという。いきなり美容外科のみで求められるスキルだけを求められ、その技量は形成外科の経験者と比較すると、雲泥の差という指摘もある。「ABEMA Prime」では、高須クリニック名古屋院院長・美容外科医の高須幹弥氏を招き「悪徳ぼったくりクリニック」とまで呼ばれる美容外科が、どれほど蔓延しているのか、実態を聞いた。
■有名クリニックが悪徳ぼったくりに?
近年、美容外科は、業界全体の悪化が指摘され始めている。この現状に高須氏は「今、直美等含めて問題になっているのが、悪徳のぼったくりのクリニックがものすごく増えている。例えばテレビCMで、2万9800円で二重瞼の手術ができると広告を打って、実際に来ると『あなたの瞼だと無理だ。50万円の特殊な方法でやらないといけない』と言って、情報弱者の患者さんを騙して、しかも狭い部屋に何時間も軟禁してぼったくるというクリニックがものすごく増えている」実態を明かした。 イメージとしては、後発のクリニックが売り上げ欲しさに悪質なやり方をしているように思われるが「コソコソやっているクリニックではなくて、堂々とテレビCMを打っているクリニックがそういうことをやっている。ここ10年ぐらいで日本の美容外科業界は本当に劣化している。昔だったらそういう悪徳美容クリニックは本当にごく一部がやっていた。今は超大手のクリニックが大々的にやっている状態だ」と憂いた。 このようなクリニックで働く医師が、先述の「直美」だという。「中には専門医を取ってから行く医者もいるが、やはり直美の方がそういうクリニックだと雇うのに都合がいい。何もできない医者でもとりあえず見様見真似で、埋没法という二重瞼の手術をできるようにして、あとはカウンセラーが軟禁してぼったくって、直美の医者は埋没法の手術をするだけ。そういうクリニックは、初心者でも大歓迎、研修医が終わってからでも就職できる」。 このような新人医師にも破格の高待遇が条件提示されるといい「年俸3000万円を保障するとか、2年で医院長になって年俸8000万円いくとか。そういう高額な報酬で求人広告を打って、そういうところに直美が流れている。まず国レベルでそういう悪徳ぼったくりクリニックを規制しないといけない。それと合わせて直美自体も規制しないといけないと僕は思う」と述べた。 高須クリニックでは「直美」の採用はしていないが、他の美容外科から転職を希望する医師の中には、そういう医師が少なからずいる。「何人か、直美から他の美容クリニックで数年間働いて、うちで働きたいという方を面接したことはある。やっぱり保険診療の場で専門医を取ってからの人と比べると技術的にも劣る。実際に絵を描いてみてとか、糸結びをやってみてと言ってもちゃんとできないお医者さんが多い」と、技術が劣るという。また「後は給料面ばっかりこだわる。前の職場がぼったくりクリニックだと、手術はできないが年俸5000万円もらっていた売り上げる力はあるので、『これだけ年俸をお願いします』とか、給料面ばっかり要望してくる。実際に何の手術ができるかを聞いても、埋没法とヒアルロン酸しかやったことがないとか、そういうレベルのお医者さんが多い」と体験談を述べた。