諏訪湖に御神渡りができたら「湖上で朱色に塗りたい」 願い込めた鳥居、観測地点に登場
凍った諏訪湖面が割れてせり上がる「御神渡(おみわた)り」の観察地点に近い諏訪市豊田の舟渡橋に鳥居が登場した。観察を担う八剣神社(諏訪市)大総代の岡崎広幸さん(63)=諏訪市上川=が手作りした。6日朝は十分に冷え込まず、結氷しない穏やかな湖面となり「御神渡りができたら湖上に持っていき鳥居を朱色に塗る」と湖の凍結に期待した。 【写真】御神渡りウオッチング、8日早朝の様子
6日朝の湖畔の気温は氷点下2・5度、水温は2・9度だった。天気予報は12日にかけて冷え込む見通し。八剣神社の宮坂清宮司(74)はこの日の観察後、「今日は暖かく、あまり寒さを感じない。週末にかけて結氷し、安定して広がってほしい」と述べた。
鳥居は「出張八剣神社」と名付け、観察に合わせて岡崎さんが毎回持ち込む。高さ約1・5メートルで筒状の建築資材で作り、「八剣神社」と書いた看板を上部に付けた。昨年11月に氏子総代らで開いた忘年会の寸劇用の舞台セットを、観察時に飾ることにした。
大総代の岡崎さんは今年から3年間、御神渡りの観察を担う。鳥居について「親しまれるようになればうれしい」。近年は気候変動の影響もあって、御神渡りが出現しない「明けの海」が6季続いている。岡崎さんは「みんなで(凍った)湖に乗って鳥居に色を塗りたい」と願った。