岡山のJ1初昇格弾はクロスがそのまま…末吉塁「みんなもびっくりしていた(笑)」
[12.7 J1昇格プレーオフ決勝 岡山 2-0 仙台 Cスタ] ファジアーノ岡山をJ1初昇格に導く歴史的な一発は思わぬ形で生まれた。前半20分、MF木村太哉がつないだMF末吉塁が拾うと、右足ダイレクトでの“クロス”を選択。「クロスをファーサイドに蹴ろうと思って蹴ったら運良く入りました」(末吉)。狙いよりも高く浮いたボールはそのままゴール右上隅に吸い込まれていった。 【動画】アウェー中国戦の裏で起きていた珍事…日本代表FWがSNS上の声に反応「わざと」 ゴールは運に恵まれていたが、ファーサイドを狙ったクロスは「チームとしての狙い」(末吉)。得点後、チームメートからの手荒い祝福を受けた28歳は「軌道を見たらゴールに入りそうな雰囲気があったので、時間がゆっくりに感じた。めちゃくちゃ嬉しかったし、アドレナリンが出た。みんないじってくれたし、たぶんみんな僕が点を取ると思っていなかったのでみんなもびっくりしていたし、でも良かったです」と照れ笑いを浮かべながら喜びを語った。 末吉は昨年夏、出場機会が少なかったジェフユナイテッド千葉を離れ、岡山に期限付き移籍で加入。右ウイングバックのポジションで出番を掴むと、今季はシーズンを通して左ウイングバックのポジションを守り抜いた。 「自分が千葉で苦しい思いをしていた時に声をかけてもらって、試合にずっと使ってもらって、なんとしても監督のために、チームのために貢献したい気持ちがずっとあった。チームが目指している目標を達成できたのは嬉しい」(末吉) そんな木山隆之監督とはプロ1年目の2019年にモンテディオ山形で共に戦った間柄。「監督もずっとプレーオフで悔しい思いをしていたのは聞いていたので、ファジアーノ岡山のためにも、監督のためにも絶対に昇格したいと思って戦っていた」(末吉)。2012年の千葉時代から数えて5度目のプレーオフ挑戦、ついにJ1への扉を開いた指揮官への思いも背負って戦っていたようだ。 来季はJ2在籍16年間を数えた岡山にとって初のJ1挑戦。末吉にとってもプロ7年目で初めてのトップカテゴリとなる。「自分の特徴はスピードと、相手に負けない1対1。そういうところは見せたい」。そう決意を口にする28歳は「それプラスにしてフィジカル(の水準)もJ1になると上がってくるので、オフシーズンに自分の身体作りにも目を向けて、いい準備をして入っていきたい」とさらなるレベルアップを誓った。