【インタビュー】巨人→ロッテ・石川慎吾「移籍して良かった。その前に巨人にいたことも、最初は日本ハムにいたことも、全部良かった」
巨人はチャンスがない? それは違います
写真=川口洋邦
今季もシーズン途中で移籍、新加入など動いた選手がいたが、その中でも代表的な選手の話を聞こう。巨人では今季の一軍出場がゼロだったが、交換トレードで7月3日にロッテへ移籍すると、8月6日現在6試合に三番で先発出場するなど、活躍の場を広げたのが石川慎吾外野手。このトレードをどのように受け止めたのだろうか。 取材・構成=落合修一 ──プロ野球選手にトレードはつきものとは言え、シーズン途中のトレードは、どう感じましたか。 石川 最初は、びっくりしました。 ──今シーズンは最後までジャイアンツでプレーするつもりで? 石川 そんなこともないです。置かれた環境に言い訳したくなかった。このままジャイアンツでという気持ちも、よそのチームに行きたいという気持ちも、どっちも持っていなかったです。一日一日を必死に生きていただけで、このままだったら9月、10月はどうなるんだろうということを考えて過ごしていたわけではありませんでした。 ──なるほど。では、ロッテにトレードと言われ、これで試合に出場するチャンスが増えると思いましたか。 石川 いいえ。ロッテさんに声を掛けてもらったからには期待に応えたいという気持ちはありましたけど、ジャイアンツにいたら二軍だとか、チャンスをもらえないとか、そのように思ったことは一度もないです。(ジャイアンツで)試合に出られなかったのは、僕の実力がなかっただけ。ジャイアンツではチャンスをもらえなかったとよく言われますが、それは違います。チャンスはもらっていました。 ──確かに、「巨人は外野の層が厚いから出場機会がなかった」という声を聞きます。しかし、事実はそうじゃなかったと。 石川 そう思います。僕は、そういうふうに考えたことはなかったです。 ──話を戻すと、ロッテへのトレードを聞いたときは、びっくりしたのですね。 石川 はい。驚きましたし、チーム(巨人)を離れる寂しさがありました。「次はロッテのために頑張る」という気持ちの切り替えは、すぐにはできなかったですね。やはり1日くらいは心の整理の時間が必要でした。ジャイアンツにはお世話になったし、感謝の気持ちが強いですから。それは(巨人の前に所属した)日本ハムも同じですけどね。周囲の人に恵まれて今の僕があるので、チームが変わったからと言って「はい、ありがとうございました」とはならないですね。 ──気持ちを切り替えたあとは、「ロッテのために頑張ろう」と? 石川 そうですね。いつまでも引きずっていてもダメなので、ロッテの勝利のために、自分は何をできるのか。ロッテのユニフォームを着てからは、それを考えています。 ──これがシーズン中のトレードではなくオフの移籍なら、チームが変わることの気持ちの切り替えはどうなっていたのでしょうか。 石川 僕は1回目の移籍(2016年オフに日本ハムから巨人へトレード移籍)のときは11月でしたが、そのときは「来年はこういうふうにしたい」と考えていたところでしたし・・・
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週刊ベースボール