コンサルが使う「ロジックツリー」の正しい活用法 「創造的な仮説」を生み出すツールにもなる
コンサルティングファームの実務で最もよく使われるフレームワークが「ロジックツリー」だ。ビジネスパーソンなら、見たことがあったり、使ったりしたことがある人が多いだろう。しかし、その真価を引き出せている人は少ない。実は、問題発見や原因究明、問題解決にとどまらず、これまでとは比べ物にならない「創造的な仮説」を生み出すツールにもなるのだ。本稿では「創造型ロジックツリー」の使い方のうち2つを解説する。 ※本記事は羽田康祐著『ロジックツリー入門』の内容を一部抜粋したものです。 【この記事の他の画像を見る】
■「創造型ロジックツリー×What軸」 まずは、ロジックツリーを分解する切り口に「What(モノ)軸」を持ち込んで、創造的な仮説を導き出す方法を紹介します。 人は誰しも、固定観念にとらわれ、そこから逃れることは簡単ではありません。その性質を逆手に取って創造的な仮説を生み出すのが「ロジックツリー×What軸」のポイントです。 例えば、あなたがホテル会社に勤務していて、「ホテルの新しいコンセプト」を考えることになったとしましょう。
そのまま「ホテルの新しいコンセプトとは何だろう?」と考えても、先入観や固定観念に縛られて、いいアイデアは思い浮かばないはずです。そこで、図64をご覧ください。 こちらは、「ホテルの新しいコンセプト」をテーマに、What軸で創造的な仮説を導き出す様子を描いたロジックツリーです。頭の使い方の手順は次の通りです。 ①まずは「固定観念」を考える|例)ホテルとは整然とした場所である ②その「真逆」を考えてみる|例)ホテルが雑然とした場所だとしたら?
③それを具体化する|例)「ドン・キホーテのような魔境のホテル」「館内がアスレチックになっている冒険ホテル」 ■「固定観念」vs「真逆」 このように「創造型ロジックツリー×What軸」の勘所は②の「真逆を考える」です。「固定観念」に対して「真逆」を考えているので、そこから導き出されるアイデアは、必ず「固定観念を覆したもの」になります。 より理解を深めるために、もう1つ、ホテルの例を考えてみました。図65をご覧ください。こちらも頭の使い方は同様です。