Gグローブ賞4冠の『SHOGUN 将軍』には原作小説があった。「史実を知ってる日本人」でも“架空”の戦国大戦に胸を躍らせるワケ
ハリウッドにおけるテレビ・映画の祭典であるゴールデングローブ賞で真田広之さんがプロデュース・主演したアメリカの作品「SHOGUN 将軍」がテレビドラマ部門の作品賞を受賞。さらに、真田広之さんが日本人俳優として初となる「主演男優賞」を受賞、浅野忠信さんも「助演男優賞」を受賞するという快挙を達成した。 「SHOGUN 将軍」は戦国時代の日本を舞台にしたドラマシリーズで、ハリウッド映画の制作陣が手掛けた。実は本作品は、書籍『将軍 1・2・3・4』(ジェームズ・クラベル著、扶桑社刊)が原作となっている。 ドラマでは真田広之が演じた吉井虎永の視点が中心だったが、ジェームズ・クラベルの原作では日本に漂着した英国人ジョン・ブラックソーン(ドラマではコスモ・ジャーヴィスが演じた)の視点に重きが置かれており、より繊細かつエロティックに戸田まり子との恋模様が描き出されている。 映像以上に残酷でドギツい描写など、異国の目線で描かれた「フィクションの中の日本」の姿に思いを馳せるのも一興だろう。 『将軍 4』では、アメリカTVドラマ評論家・堺三保氏が原作小説ならではの魅力を次のように解説している(以下、解説原文を掲載)。
日本人俳優たちのアメリカでの需要に変化が?
いま、アメリカで大きな話題となっているドラマがある。それが本作を原作とした『SHOGUN /将軍』だ。 この作品のドラマ化は実は2度目なのだが、今回のリメイク版の評判は前作を凌しのぐ大きなもので、アメリカのレビューサイトRotten Tomatoes では批評家スコアが99%、視聴者スコアが91%という高評価を記録、配信サービス「ディズニープラス」による世界配信では第1話の配信開始から6日間で全世界900万回の再生回数という記録を達成、2024年にエミー賞を受賞した。 また、主演の真田広之、ヒロイン役の澤井杏奈の2人は、アメリカの雑誌やテレビに引っ張りだこの人気ぶりで、長年アメリカで活躍してきた真田はもちろん、まだ出演作の少ない澤井はほぼ一夜にしてハリウッドの大物スターの仲間入りをはたしたと言っても過言ではない注目ぶりとなっている。 いや、この2人だけでなく、今回のドラマ化によって、日本を舞台にした作品や日本人俳優たちのアメリカでの需要が、大きく加速するかもしれないという勢いなのである。 では、その『将軍』とはどんな物語なのか。