【高校ラグビー】聖地HANAZONOへ"激戦"の地区大会決勝 三重は41年ぶりの両校優勝 福島は聖光学院が6年ぶりの戴冠 佐賀工が粘る早稲田佐賀を振り切り43大会連続の全国大会へ
佐賀大会 “圧倒的な強さ”誇る「佐賀工」と年々進化の「早稲田佐賀」
佐賀県大会決勝は、43大会連続53回目の出場を狙う佐賀工と赤黒のジャージに身を包んだ早稲田佐賀の対戦。ここ数十年、県内では圧倒的な強さをみせて、一方的な展開で出場権を手にしてきた佐賀工。しかし、今年は違いました。年々進化する早稲田佐賀の規律と気迫のこもった戦いぶりに苦しみます。 試合開始から最初の5分間は、早稲田佐賀のスピードある攻撃の前に押し込まれる展開。自陣22mラインの内側で耐え忍ぶ時間が続きます。それでも、落ち着いて序盤のピンチをしのぐと、強いFWを前面に風上を上手く利用してキックで敵陣に攻め込みます。 そして14分、FW陣の力強い縦突破の連続から、最後はラックサイドを突いたLO金井田頼斗選手がトライ。ゴールも決めて7点をリードします。このトライで自分たちの優位なポイントが確認できた佐賀工、縦への推進力とあたりの強さをみせて徐々にペースを握ります、BK陣の思い切った展開で勝負してくる早稲田佐賀の攻撃を的確なタックルで跳ね返すと、キックで前進した後は近場、近場で勝負して早稲田佐賀のスタミナを削っていきます。そして28分、連続ラックからWTB塚本翼選手がトライ。さらに30分、ラインアウトからモールをつくると、FW陣がしっかり押し込んで最後はNO8中辻大凱選手がトライ。19対0とリードをひろげて前半を折り返しました。
「王者」が県内の相手に許した久しぶりのトライ…しかし慌てなかった佐賀工
それでも、早稲田佐賀はあきらめません。前半は、攻め込みながらも得点につなげることができなかった早稲田佐賀でしたが、後半ついにトライに結びつけます。 WTB佐藤光希選手の判断のいいキックで、うまく佐賀工ディフェンスの背後に攻め込むと、LO益田小鉄選手が素早く出したボールに全員が反応して、最後はFB肥後直希選手からパスを受けたWTB瓜生敬悠選手が左隅にトライ。厚い壁・佐賀工から記念すべき初トライを奪いました。 王者が県内の相手に許した久しぶりのトライ。しかし、佐賀工は慌てませんでした。前半から優位に立っていたFW陣を生かした攻撃で確実にエリアを獲得すると10分、15分とモール攻撃から2つのトライを奪って、リードを広げました。 早稲田佐賀も、後半18分に2つ目のトライを奪って食い下がりますが、反撃もここまで。その後、さらに3つのトライを積み重ねた佐賀工が48対12で粘る早稲田佐賀を下して、43大会連続53回目の全国大会出場を果たしました。