【高校ラグビー】聖地HANAZONOへ"激戦"の地区大会決勝 三重は41年ぶりの両校優勝 福島は聖光学院が6年ぶりの戴冠 佐賀工が粘る早稲田佐賀を振り切り43大会連続の全国大会へ
福島大会 「松韻福島」と「聖光学院」の試合は悪天候の中でも熱戦に
11月2日(土)、全国的な悪天候の中、福島と佐賀で行われた決勝戦は、厳しいコンディションをものともしない熱戦となりました。 福島大会決勝は、前回大会に続く2年連続の花園出場を目指す松韻福島と、その松韻福島に前回大会準決勝で5点差で敗れた悔しさを胸に厳しい練習を乗り越えてこの舞台まで勝ち進んできた聖光学院の対戦。 雨でボールが滑りやすい難しいコンディション。両チームが慎重なゲーム運びを見せる中で、先に仕掛けたのは聖光学院でした。 前半3分、ラインアウトからのボールを受けたSO越川隆太選手が、ハーフウェイライン付近から思い切って仕掛けます。ディフェンスのギャップをついてうまく裏に抜け出すと、そのまま鮮やかなステップで待ち受けるディフェンスをかわしてトライ。ゴールも決めて7点をリードします。さらに25分、またしてもラインアウトから素早くボールを動かして得点に結びつけます。今度は、一瞬のスピードでディフェンスをかわしたキャプテンのCTB木村倭選手が切れ味抜群の走りを見せて、敵陣10mライン付近から40m近くを一気に走り切りました。ゴールも決めて14対0、前半は持ち味である積極的にボールを動かすラグビーを貫いた聖光学院がリードして折り返します。
聖光学院・木村キャプテン「福島県の選手全員の気持ちを背負って戦ってきたい」
一方、FW陣の前に出る圧力と一体となったモール攻撃が自慢の松韻福島。後半に入ると、得意のモール攻撃を軸に、何度も聖光学院陣内深くまで攻め込みます。しかし、聖光学院の粘り強いディフェンスの前に、大事なところでミスが出てなかなか得点につなげることができません。試合終了間際にも、20m以上モールを押し込んでこだわってきた形からのトライを狙いますが、聖光学院のゴールライン直前で痛恨の反則。絶好のチャンスを逃してしまいました。 ピンチをしのいだ聖光学院が、この後ボールを蹴り出してノーサイド。最後まで集中力を切らさず、松韻福島の執拗なモール攻撃をしのぎ切った聖光学院が14対0で逃げ切って、6年ぶり2回目の花園への切符を手にしました。 試合後「(花園では)福島県の選手全員の気持ちを背負って戦ってきたい」と語った聖光学院の木村キャプテン。松韻福島の想いも胸に聖地での戦いに挑みます。