日産、財務と北米事業の責任者交代 業績悪化で経営立て直し
[東京 11日 ロイター] - 日産自動車は11日、財務や北米事業の責任者を交代する役員人事を発表した。北米と中国で販売が低迷し、業績が急速に悪化する中、経営の立て直しを狙う。内田誠最高経営責任者(CEO)は続投する。 いずれの人事も2025年1月1日付。スティーブン・マー最高財務責任者(CFO)を中国事業の担当とし、後任のCFOに北米事業担当のジェレミー・パパン氏が就く。 北米事業担当には、欧州自動車大手ステランティスで昨年11月まで「ジープ」ブランドの責任者を務めたクリスチャン・ムニエ氏を迎え入れる。同氏は日産で高級車ブランド「インフィニティ」の事業会社社長を務めていたことがある。 また、25年4月には経営体制のさらなる変更を行い、「ビジネス環境の変化に柔軟・機敏に対応できるスリムでフラットな経営体制の構築を目指す」とした。 日産が11月に発表した2024年4─9月期の連結決算は、純利益が前年同期比93.5%減の192億円だった。世界で生産能力を2割、人員を9000人削減するリストラ策とともに、来年1月と4月に段階的に経営体制を変更することを明らかにしていた。 日産はハイブリッド車の需要が高まる米国市場、電気自動車(EV)への急速な移行が進む中国市場で商品を投入できておらず、販売不振が続いている。特に米国は在庫を減らすため、販売奨励金が膨らんでいる。