<連載 僕はパーキンソン病 恵村順一郎>ぐるるっ ぐるるっ 人間と共生2千年 カエルは僕の先生 絶滅などしてもらっては困るのだ
パーキンソン病による自律神経症状のせいで、僕は夏の暑さにめっきり弱くなった。外出すればだらだら汗をかいて止まらず、ゆでガエル状態になってしまう。 カエルが冬の寒さを乗り越えるため「冬眠」することはよく知られるが、暑くて乾燥する夏には「夏眠」して過ごすカエルもいるそうだ。 病を得て3年前に退職し、「第二の人生」はのんびり、ゆっくり。この連載でもそう書いてはきたが、ついつい前のめりに動いてしまう。そんな僕にとって、カエルの「夏眠」はあこがれであり、大事なヒントでもある。 無理をせず、自然体で生きる。カエルは僕のセンセイである。その意味でも、絶滅などしてもらっては困るのだ。(文・写真 恵村順一郎) ◇ 恵村 順一郎(えむら・じゅんいちろう) ジャーナリスト 元朝日新聞論説副主幹 1961年、大阪府生まれ。1984年、朝日新聞社入社。政治部次長、テレビ朝日「報道ステーション」コメンテーターなどを経て、2018年から2021年まで夕刊1面コラム「素粒子」を担当。2016年8月、パーキンソン病と診断される。