借金返済、闘病、3度の離婚…波乱万丈乗り越え、一代で国内有数の通販企業を築いた63歳女性社長のSNS発信 なぜ反響?
■社員の反対にあったSNS発信「波乱万丈を経験したからこそ、教えていける強さがある」
――実際にSNSをやってみて、いかがでしたか? 「最初は、当社の役員たちに反対されていたんです(笑)。60歳のおばちゃんが、今からSNSを始めて上手くいくわけがない。会社の恥になると。でも私は、私自身がどう見られるかなんて、関係がありませんでした。私の言葉で、1人でも人生が変わってくれて、自殺者が減ってくれたら、それが私の生き様だと思ってきました。発信する内容には、困ったことがありません。降りてくる、と言ったらちょっと語弊がありますが、今伝えないといけない言葉、その人に必要な言葉、どうしたら幸せになるかという考えは、天風哲学を学んでいるうちに、すべて降りてくるようになったからです」 ――降りてくるようになったとは? 「私が10歳のときに習った“阿頼耶識”の働き方、今で言う潜在意識ですよね。これをスピリチュアルと言われたらしょうがないのですが、潜在意識の力があることを教えられたからこそ、ここまで来たと私は思っています。SNSはその人の波動やパワーが直接的に伝わるので、実際にいろいろな経験をして、それを解決してきた私が喋る言霊だからこそ、伝わる言葉となり、それが再生数にも現れているのだと思っています。SNSはInstagramに始まり、TikTokとYouTube、そしてオンラインサロンを開いて毎週ライブ配信をして、毎月皆さんに会えるようにしています。女性の経営者を育てたいと考えて、もう5年になります。毎月5000円の会費は、全額寄付しています」 ――“波乱万丈”と言われるほど、いろいろな経験をされたことをご自身としてはどう受け止めていますか? 「波乱万丈の経験をしないと、経営者にはなれなかったと私は思います。波乱万丈を苦労と受け取るか、その苦労のおかげで周囲の人が前向きになって、『それを考えたら私はまだマシですね』と言われるための経験だとしたら、私にとっては財産です。父の借金を返すために、働く環境を変えなければならなかったこと、病を患ったこと、離婚を3度経験したこと…もう全て私にとっては宝です。そこで学んだからこそ、教えていける強さがあるのだと思うんです。だから、恥じていないです」 ――会社のために、社員のために、身を粉にして働く岩本さんが当時課題に感じていたことは? 「20代、30代で離婚し、いきなり経営者をやって、自分で食べていかなきゃという焦りもありましたし、父の借金を返しながら子どもも1人で育てていましたから。子育ては孤立するということを痛感しました。自分だけが孤立して、育児ノイローゼになって…。そんな状況を作りたくないから、当社では子どもと一緒に出勤をして、子育てを一緒にしていくというスタイルをとっています。そういう会社が1社でもあれば、みんながマネしてくれると思っていたのですが、どこもマネしてくれません(笑)。 はっきりと言えるのは、子育てを会社でしたからといって邪魔にはならないです。子どもたちからもらうパワーのほうが強いです。社員やその家族たちが安定して、健康になることが一番の財産なので。もうそれが全てですね」 ――お子さんたちはそんな岩本さんの様子どのように見ていたと思いますか? 「取材やインタビューを受けて、子どもたちが話している言葉を聞いていると、『仕事って楽しいんだろうなと思う』って。お母さんを見ていたら、家に帰ってきたらバタバタご飯を作って、朝早くから起きて弁当を作って仕事をして、出張のときには作り置きをしてくれて。そういうのを見ると、仕事と家事の両立って簡単なんだと思っていたけど、自分がいざやるとできないと言っていました(笑)」