乃木坂46・櫻坂46・日向坂46、グループを形作る三者三様のキャプテン&副キャプテン像
2024年も大きな変化があった坂道グループ。そのひとつが、乃木坂46の副キャプテンに五期生の菅原咲月、日向坂46の副キャプテンに三期生の髙橋未来虹が就任したことだろう。櫻坂46は現在は副キャプテンポジションが不在だが、乃木坂46と日向坂46の2グループがキャプテン&副キャプテンという2人体制となった。 【写真】梅澤美波、秋元真夏と頬寄せ合うショットも 坂道グループのキャプテン&副キャプテンの流れでいうと、まずは乃木坂46の初代キャプテン・桜井玲香を経て、2019年に秋元真夏へと受け継がれ、2021年からはグループ初の副キャプテンに梅澤美波が就任。2023年からは秋元の卒業に伴い、梅澤がキャプテンを引き継いだ。櫻坂46は欅坂46時代はキャプテン・菅井友香、副キャプテン・守屋茜の体制だったが、2021年からは副キャプテンに松田里奈が就任。2022年には、卒業する菅井に代わって、松田がキャプテンとなった。日向坂46は、けやき坂46時代から長らく佐々木久美がキャプテンとしてグループを牽引してきたが、2024年に副キャプテンとして髙橋が就任した。 ざっと見渡してみただけでも、グループのリーダーとしての資質を備えたメンバーが順当に選ばれていることに納得する。しかし、グループ別に見ると、乃木坂46、櫻坂46、日向坂46、それぞれのカラーがキャプテン&副キャプテンにも反映されているようにも思う。本稿では、改めて坂道グループそれぞれのキャプテン像を考えてみたい。 ■乃木坂46 乃木坂46のキャプテンを受け継いでから、今年2月で2年を迎える梅澤。彼女のリーダーとしての存在感が際立っているのは、歴代の桜井や秋元以上に力強いキャプテン像を提示してくれているからだろう。 少し抜けていて、メンバーから愛されるキャラでもあった桜井や秋元だが、秋元が卒業記念写真集『振り返れば、乃木坂』(幻冬舎)で回想しているように、梅澤は精神的な支柱として、キャプテンやグループを支える視点を持ち合わせていた。加入時から同期と比べても少し大人びた目線でグループを見ていたメンバーだったが、2021年に副キャプテンになってからは“乃木坂46らしさ”を未来に繋いでいくために、グループとしてのアイデンティティと成長の間で揺れ動きながら、時には厳しく、時には優しく乃木坂46と向き合ってきた。キャプテンとして気をつけているのは、自分の考え方をしっかりと伝えつつも、「自分の考えを押し付けないこと」だと明かしていたこともある(※1)。そうした梅澤の立ち振る舞いが現在のグループの魅力を醸成しているのだろう。 2024年12月に副キャプテンに就任したばかりの菅原は、32ndシングル『人は夢を二度見る』で初の選抜メンバーに抜擢され、35thシングル『チャンスは平等』ではアンダーも経験、5期生楽曲「バンドエイド剥がすような別れ方」ではセンターも務めるなど、中心核のメンバーとしても期待をされている。その一方で、バラエティ番組『ラヴィット!』(TBS系)の「ラヴィット!ファミリー」として金曜日のシーズンレギュラーに就任、ラジオ『乃木坂46の「の」』(文化放送)のMCに抜擢されるなど、2024年はグループを代表して、外に向けて発信する機会も増えていった。少々抜けている一面は秋元のエッセンスを感じさせるが、冷静に俯瞰した視点とのバランスを兼ね備えた菅原は、副キャプテンとしての適性も高い。後のキャプテンを見据えた抜擢と言えるだろう。 ■櫻坂46 櫻坂46の2代目キャプテンを務めるのが松田だ。情報番組『THE TIME,』(TBS系)の木曜日レギュラー、かつては『レコメン!』(文化放送)月曜日のパーソナリティーも担当した経験のある松田は、持ち前の明るさで櫻坂46を象徴するキャプテンとなっている。 菅井友香の卒業写真集『大切なもの』(集英社)の菅井と松田の対談で、菅井は「朝の情報番組や夜のラジオ生放送とか、大変なスケジュールなのに、ちゃんと自分の気持ちをコントロールできて、朝も元気に楽屋に入ってきてくれるから、いてくれるだけで現場がすごく明るく回る、貴重な存在だと思ってるよ」と松田の存在の大きさを明かしていたことがある。櫻坂46は、井上梨名や武元唯衣、増本綺良などバラエティで活躍しているメンバーも多く、『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京系)では、彼女たちの生み出す和やかな雰囲気がグループ全体に広がっている。三期生がのびのびと発言をしているところを見ても、櫻坂46は良い意味で先輩後輩の垣根がないのである。そうした櫻坂46ならではの雰囲気を作り出しているのは、松田の存在によるところが大きいと考えられる。坂道グループのキャプテンに共通することが、自らもボケに回り、メンバーに隙を見せることも欠かさない。 松田は菅井との対談の中で「グループのことをちゃんと客観的に見ることができて、グループの士気を高められる人」(※2)と自身の理想とするキャプテンのあり方を語っていたが、松田のモチベーターとしての姿は理想的だ。