子供を医学部に合格させたいなら、「現役じゃないとダメ」とプレッシャーをかけすぎてはいけない理由…なぜ、一生懸命子供をサポートしようと思っているのに、親の話を子供が聞いてくれなくなるのか
医学部人気が止まらない。とはいえ、医学部に子供を受からせるのは容易ではない。医学部受験塾「桜凛進学塾」を経営する新宮竹虎氏に、医学部に子供を受からせる親、失敗する親の違いについて聞いたーー。みんかぶプレミアム特集「一発逆転の中学受験」第5回。 【動画】筑波大医学部(医学群)は定員の50%が推薦枠の衝撃…一般入試で医学部に入れない子でも医学部に入れる裏ワザを推薦入試専門家が大暴露!低偏差値でも国立医学部に入れるのか、じゅそうけん、戦記が真実に迫る!
子供を医学部に合格させたいなら、「現役じゃないとダメ」とプレッシャーをかけすぎてはいけない理由
「子供を医学部に受からせたい」とお考えの親御さんに、まず申し上げておきたいのは、「現役でなければいけない」と子供にプレッシャーをかけすぎるのは、逆に子供が医学部に合格する可能性を狭めてしまう、ということです。 私も受験生の頃に言われたのですが、例えばラ・サール高校の成績下位の生徒でも、東大なら1年で合格できても医学部は2年かかると言われていました。世間一般では高校2年生の冬頃から受験勉強を始めますが、1年では厳しいのが現状です。この時点で2年計画で考えられる人は、現役でも合格できる可能性が高いですね。 親御さんについて言えば、最もプレッシャーを感じているのは子供自身です。必要以上にプレッシャーをかける親御さんがいらっしゃいますが、「現役で行かないとダメよ」と言い過ぎてメンタルを崩してしまう例もあります。本人が一番状況を理解しているものです。 そもそも医学部は浪人生が多数を占めています。特に地方の国公立大学医学部では、標準的な問題を確実に解けることが重要で、幅広い分野で9割程度の完成度が求められます。ある程度の理解があれば、時間をかけた人が有利です。 ですから、そもそも現役の時点で2年程度の勉強時間が確保できなさそうであれば、無理に「現役じゃないとダメよ」とプレッシャーをかけるよりも、リラックスして受けさせてあげた方が、まだ合格できる可能性も上がるのではないでしょうか。
なぜ、一生懸命子供をサポートしようと思っているのに、親の話を子供が聞いてくれなくなるのか
親御さんは子供が小中学生時代のメンタルのままだと思いがちですが、実際には成長しています。医学部試験ではミスも許されないので、本番でリラックスできているかどうかも重要な要素です。小学生のように接してしまい、子供の話をきちんと聞いてあげられないままでは、子供も受験勉強に集中できません。 一旦反論があっても、子供の話を受け止められる親が良い親です。「この子は話せない」と言う親もいますが、実は子供が言わないのではなく、言えなくなっているのです。「どうせ私の話は聞いてくれない」と思い込んでしまい、何も話せなくなってしまうのです。 例えば、4回成績が出て3回は成績がよかったのに、悪かった1回だけの成績のことだけを執拗に責めたり、しつこく言い続けたりするような親御さんも、よくないですよね。結局、子供が追い込まれてしまい、本番の医学部受験も失敗してしまいます。
新宮竹虎