市販のドローン、自衛隊の「脅威」に……日本の基地上空は“無防備”? 専門家「レーダーでは難しい」「また無駄な買い物に」
■ドローン侵入が増…佐世保基地でも
「いずも」を撮影したとみられる動画が日本の安全保障に与えた影響は深刻です。部谷さんは「最近、自衛隊の駐屯地や施設に対するドローンの侵入が増えたというんですね。いずも事案後に」と話します。 今年7月には、長崎・佐世保市の佐世保基地周辺を飛行するドローンが目撃されています。 部谷さん 「今回の(いずも)事案で、日本のドローンに対する抑止力がゼロと分かったからだと思います。つまり、自衛隊の駐屯地や基地はドローンを飛ばしても分からないし、逮捕もされないと」
■飛ばせる、気づけない…2つの問題
小野記者 「こうして基地の上空にドローンが侵入するのは国の防衛上、問題ですよね。そもそも基地の上空でドローンを飛ばすのは違法。小型無人機等飛行禁止法違反になり、1年以下の懲役や50万円以下の罰金と定められています」 「ただ実際に飛ばしていて、その気になれば飛ばせてしまうのが問題です」 鈴江アナウンサー 「飛ばせてしまうのも問題ですが、気づけないというのは大問題ですよね」 小野記者 「それが2つ目の問題です。現状では自衛隊は、ドローンが飛んできても発見が難しいのではないかということです」 「この2つから言えるのは、例えば一般に売っているドローンに爆薬を付けて誰にも気づかれず飛ばし、自衛隊の艦船のレーダーなど大事な部分にぶつける。艦船は無力化します。高くても数十万円のドローンが、何百億円もする船をダメにすることもできてしまいます」 森圭介アナウンサー 「機密性の高い所に飛ばすこともできますし、相手の目的が分からないのに見つけられないのはかなり厳しいですよね」
■佐世保のドローン侵入、米軍の反応は?
小野記者 「長崎の佐世保基地の周辺でもドローンが目撃されていました。近くにアメリカ軍の基地もあり、在日アメリカ軍はこのことについて取材に『最近の基地周辺でのドローンの飛行について承知している。担当局が捜査している』と回答しました」 「『捜査している』とまで言っています。アメリカ軍が、記者の問い合わせにこうしたコメントをするのは異例のことです。そのぐらいアメリカ軍は危機感を持っています。日本の当局になんとかしてほしい、というメッセージだと考えられます」