上級サルーンに「求めるほぼすべて」 メルセデス・ベンツEクラス E 220Dへ試乗 走りの充足度も◎
ドライビング体験の充足度は高い
先述の通り、スチールコイル・サスペンションでもEクラスの乗り心地は良い。やや硬めの設定で、カーブが連続する郊外の一般道を気持ち良くこなせる。 試乗したEクラスには、2.0L直列4気筒ディーゼル・ターボエンジンが載っていたが、静かでトルクフル。アクセルレスポンスは素早く、9速ATとの相性にも優れ、安楽にグレートブリテン島を移動できる。 車重は重く、1915kg。スポーツサルーンのような活発さはないものの、グリップ力は充分で、シャシーバランスも好ましい。 姿勢制御には、適度な締まりがある。ステアリングレシオは程よくクイック。反応は正確で、一定のフィードバックが手のひらへ伝わる。ドライビング体験の充足度は、高いと思う。 燃費は、18.0km/Lを超えることも難しくない。高速道路を平穏に流せば、21.0km/L以上も可能。その場合、1度の満タンで、約1450kmも走れる計算になる。アダプティブ・クルーズコントロールも優秀だった。 メルセデス・ベンツにとって重要なモデルといえるEクラスだから、AUTOCARでは今後、更に丁寧な試乗や検証を進めたいと考えている。G60型のBMW 5シリーズとの比較テストも検討している。興味深い対決になるのではないだろうか。 価格設定は強気といえ、洗練性もまだ高める余地はあるだろう。しかし、上級サルーンに求めるほぼすべての領域を、新しいEクラスはしっかり満たしている。
メルセデス・ベンツ E 220D AMGライン・プレミアムプラス(英国仕様)のスペック
英国価格:6万8785ポンド(約1273万円) 全長:4949mm 全幅:1880mm 全高:1468mm 最高速度:238km/h 0-100km/h加速:7.6秒 燃費:20.0km/L CO2排出量:131g/km 車両重量:1915kg パワートレイン:直列4気筒1993cc ターボチャージャー 使用燃料:軽油 最高出力:196ps/3600rpm 最大トルク:44.8kg-m/1800-2800rpm ギアボックス:9速オートマティック(後輪駆動)
イリヤ・バプラート(執筆) 中嶋健治(翻訳)