北九州“中学生殺傷事件”逮捕前日…目撃した“男の様子”は【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN
福岡県北九州市で中学生2人が刃物で刺され死傷した事件。逮捕された43歳の男が通っていたという理髪店のオーナーに話を聞くと、学生時代の印象から一変したといいます。逮捕までの5日に、男の家に出前をしたそば店の店主が目撃したのは…。【バンキシャ!】 ◇ ◇ ◇ 21日、平原政徳容疑者が通っていたという理髪店のオーナーに、話を聞くことができた。 ―― (平原容疑者は)いつ頃からこちらを利用していた? 理髪店のオーナー 「中学高校から。当時はヘアカタログみて『こんな感じ(にして)』とか大体ショートっぽい感じ。おしゃれな感じだった」 高校を卒業した後も平原容疑者は何度か店を訪れ、15年ほど前には… 理髪店のオーナー 「ぽつっと来て、『顔そりだけ』って。『どうしたの?』って聞くんですよ、僕たちも。そしたら『結婚式』『自分が結婚するから』って」 理髪店の従業員 「『どこの人?』って言ったら『どこそこの人』って。『(子どもが)生まれる』って」 “人生の節目”をうれしそうに報告していたという。しかし2023年1月、久しぶりに店に現れた時、その印象は一変していた。 理髪店のオーナー 「ほとんど会話にならない。目がキョロキョロしてるし」 「僕も話すけね、『久しぶり、元気しとった?』って言っても、なんか反応が鈍いし目がすわってるし」 「全然違うからさ、雰囲気が。おかしいなって思う」 それからおよそ2年…。 記者 「平原容疑者の身柄が検察庁に送られます」 平原政徳容疑者は殺人未遂の疑いで逮捕された。事件から5日で逮捕。その間、いったい何をしていたのか。バンキシャ!の取材で、その一端が見えてきた。 21日、午後8時半頃。 バンキシャ! 「事件から丸一週間が経過しました。花と飲み物が手向けられています」 1週間前の土曜日(14日)。福岡県北九州市のマクドナルドで中学3年生の中島咲彩さんが刃物で刺され死亡。男子中学生が重傷を負った。中学生が襲われるという凄惨な事件。 バンキシャ!が関係者への取材を進めると、事件前、平原容疑者とみられる男の“ある行動”が目撃されていたことが新たにわかった。 それは事件の4日前、北九州市内のインテリア用品販売店でのこと。「平原」と名乗る男がタクシーに乗り込み、自宅の住所を伝えたという。手には、買ったばかりとみられるフロアライトが2つ。車内ではときどき道順を指示する以外は、無言だったという。その道中…。 「平原」と名乗る男 「ドラッグストアに行きたい」 ドラッグストアに立ち寄り、2袋分の商品を持って戻ってきた。家に着くと2770円を現金で支払い、無言のまま車を降りたという。 一見すると、“何気ない生活”。だが、その4日後に事件を起こしたとみられる平原容疑者。当日の足取りも次第に明らかになってきた。 事件当日。自身の黒い車に乗り、家を出たとみられる平原容疑者。午後8時25分ごろ、事件が発生。わずか10数秒で中学生を襲い、再び車で逃走したとみられている。 その直後。防犯カメラには“ある映像”が。現場から直線で100メートルほどの場所。 バンキシャ! 「黒いバンが通っています」 事件発生からおよそ2分後の午後8時27分。 平原容疑者の黒い車とよく似た車が事件現場の方向から走ってきた。さらに別の角度のカメラには車が右折して、平原容疑者の自宅がある方向へ走り去る様子が映っていた。 警察もこの映像を確認しているという。現場から自宅に戻ったとみられる平原容疑者。近所の人は“ある変化”に気づいていた。 バンキシャ! 「事件後、14日…」 近隣住民 「会ってない」 バンキシャ! 「全く見てない?」 近隣住民 「見てない」 バンキシャ! 「外に出たりは」 近隣住民 「なかったような気がするね」 以前は玄関先でたびたび、たばこを吸っていたというが、事件後は姿を見なくなったという。 ◇ 警察への取材で容疑者は事件後、外出を控え自宅に閉じこもっていたことが新たにわかった。いったいどのように生活していたのか。その一端を知る人に話を聞くことができた。 北九州市内にある、そば店。事件の2日後、平原容疑者とみられる男から“出前の注文”が入ったという。 ――注文は電話で受けた? そば店 店長 「うん、注文はうちのパートさんが受けて」 ――その時の様子は? 「普通って言ってましたけど」 ――何を持って行った? 「最初はカツ丼とざるそばかな、うちの1番人気あるやつ」 注文を書き留めたノートを見せてもらうと、たしかに「平原」の名前でカツ丼とざるそば、あわせて1500円の注文が。 さらにその翌日もまったく同じメニューを注文してきたという。 料理を受け取ったのは… バンキシャ! 「この人で間違いない?」 そば店 店長 「そうですよ、間違いない」 バンキシャ! 「玄関の中は?」 そば店 店長 「両脇にゴミを積み上げていた」 「ゴミ袋がこうあるでしょ。手前は1段だったけどここ(奥)は2段、奥にもあったんじゃないか」 廊下には、びっしりと積まれたゴミ袋。平原容疑者は上下スエット姿だったという。 バンキシャ! 「配達していて違和感は?」 そば店 店長 「1日目2日目は無口で終わって普通通り、まあこんな感じかなと思って」 しかし、その翌日。3回目の注文が入り、届けると平原容疑者に“ある異変”が―― 事件の4日後、つまり逮捕前日にも出前を注文していたという平原容疑者。実はこの時には、すでに警察が自宅を監視し始めていた。注文したメニューは、ざるそば、ごぼう天うどん、いなりずしに、かしわおにぎり。 その前の2日間に比べ、量が増えていた。そして平原容疑者の様子にも“異変”が…。 そば店 店長 「ちょっとこう…そわそわしてる感じの、落ち着きがない感じがした」 「ビール持って出てきて、ビール置けばいいのに置かないでそのまま(料理を)とろうとしたからビール結局落として」 バンキシャ! 「落としちゃった?」 そば店 店長 「俺が拾おうとしたらバッと拾って」 “捜査の手”が迫っていることを感じていたのか。 平原容疑者は容疑を認めていて、警察は中学生の中島咲彩さんを殺害した容疑でも逮捕する方針だ。 *12月22日放送「真相報道バンキシャ!」より